正邪大樹界
ゼロス様の話から数日経ち、自分とエリカは魔導艦の中で目的地を目指している最中だ。せ
「それにしても主神からの信託があるなんて・・・本当にこの先に目的の人物がいるんですか?」
「ああ、ゼロス様の信託は当たるよ。そのおかげでエリカにも会えたしね」
ゼロス様の助言を信託と言ってエリカとアロン先生に言った後、アロン先生には家を任せてエリカと二人で目的地である正邪大樹界に向かっていた。
「それにしてもあの樹海に人がいるとは思いませんでした」
「自分も二人の話を聞いてびっくりしたけどね」
正邪大樹界はこの世界で最も広い面積を持つ樹海であり魔力が満ちている場所であり多くの魔物が生息しているしその場所の調査に何百年と費やしているのに未だに新種の魔物の報告がある魔境だとの事だ。
「あ、見えてきましたよ」
「うわ・・・あれが」
窓の外に広がる緑のカーペットが何処までも続いている。空の上から見ているのに先が見えない。
少しして魔導艦は樹界の近くの街に到着し一通りの準備したらそのまま、樹界入るために専用の出入り口にたどり着く。門番が自分達が樹界に入る事を言うとあっさりと通してくれた。
「何かすんなり通れたね」
「ここには冒険者が魔物の素材を集めによく来るそうですし慣れているんでしょう」
自分は魔物の事を全然知らなかったので改めて魔導艦の中でエリカに聞いてみるとどうもダンジョンにいる魔物と外にいる魔物では全然違うらしくダンジョンの中の魔物は魔力で体が出来ているため殺すと魔石という結晶になってしまうのだが外にいる魔物は体がちゃんとあるので殺すと死体が残るが魔石は存在しないという違いがあるとの事だ。
そう言えば、最初に戦った熊は切った後に死体があったな。あの時は色々テンパっていてまったく気にしてなかったな。
「さて、この樹海の真ん中に行かないといけませんから主様こちらに」
「こちらって・・・何しているの」
「おぶるのでさあ」
同い年の女性におぶられるって何か恥ずかしいのだがでもエリカが走った方が早いのは確かだし剣士が腕を塞いでは剣も触れないからお姫様抱っこじゃないだけましか
「あ、それとも抱えますか?」
「おぶってください」
おぶって森の中を勢いよく駆け抜けるエリカに自分は必死にしがみついている事しかできないでいた。
早すぎないか!?エリカってこんなに早く走れたのか!!
声を出すことも出来ないぐらいの速さで森の中を縦横無尽に駆ける。障害物に当たる事もなく進んでいく。魔物もそこら辺にいると言うのにエリカのスピードについてこれないのか追いかけてくるのを止める魔物がたくさんいた。
「そろそろ樹海の中央に到着します」
やがてそんな声が聞こえてくるがもう腕が限界にちかくしびれて感覚がない。自分の心境では早くついてくれと切実に願う事しかできない。
ようやくエリカが止まり俺は背中から落ちるように降りる。ふらふらになりながらも立ち上がり目の前の景色を見る。
「ここが正邪大樹界の中心であれが封印なんだな」
自分の目には一本の大きな木がそこには聳え立っていた。幹の太さも尋常ではなく圧倒されてしまうほどだ。
「取り合えず、ここに裂けめを作るよ」
「警戒は任せてください」
空間能力で自分はどんな場所でも一瞬で行けることが出来るのだがそれはあくまで行ったことのある場所だけでありさらに裂けめという自分が作った出入口がなければいけない。
空間接続
この能力は自身が作った空間と空間を繋ぐことが出来る能力で空間作成で作った修行場とつなぐことが出来る能力なのだ。
数日かかる距離を一瞬で繋げるとかやっぱりいかれた能力ではあるんだよなこれも。今回はこの能力が封印を破る切り札と言うが果たしてうまく使うことが出来るか。
不安に思いながら空間の接続が完了し改めてマナさんの封印を解除すべく調査をすることになる。
「そもそも、封印の場所は何処なんだ?」
ゼロス様はこの大樹を目指せば封印の場所にたどり着くって言っていたのだけども変わった場所は無いように見える。
「エリカ!そっちに何かあったか」
「何も見当たりませんにね。木の上には魔物がいましたが倒してきましたし」
そう言ってエリカは自分の体の10倍はある大きな鳥を倒してこっちに運んで来た。魔物の死体は素材になるので空間収納でそれをしまってどうするか考える。
「・・・・・仕方ない。エリカ、すまないが周りの警戒を頼む」
「わかりました」
そう言って自分は大きく息を吸って
「すいませーーーん!!マナ・マクスウェルさんはここにいますかーーーーーー!!!!」
大声を張って名前を呼ぶことにした。封印されているからダメもとでやって見ただけだがここまで声を出したら魔物も寄ってきそうなのでエリカに警戒してもらう。少しして何の反応もなかったためにもしかしたらこの大樹ではなかったのではと思い始めた時だった。
『そんな大声出さないでも聞こえてるわよ』
脳内に響く声が聞こえた。優し気でありながらどこか気だるげな声だった。
『それで、貴方は誰なのかしら?私の名前を知っているってことはゼロスに出も聞いたと思うのだけど、あと声を出さなくていいわ頭の中で話して』
そう言う事ならと自分の事を話す。ゼロス様の事も知っているしこの人には嘘をついても意味がない。
『自分は東雲空間といいます。この世界ではソウマと名乗り生活しています。ゼロス様に魔法の師を探していることを伝えたら貴方を紹介されました。その為に自分はここの封印をぶっ壊しに来ました』
自分がこの世界の人間ではないことを伝え魔法の師になって欲しい事を伝える。その為にここの封印をぶっ壊しに来たことを告げる
『・・・私が貴方の師に?変な子が来たものね。でもそれだけでは貴方の願いにこたえることは出来ないわ』
『どうすれば自分の頼みを聞いてくれますか?』
素直にどうすればいいのかを聞く。するとあっさりと答えてくる。ただ、その答えは自分の心臓を掴まれたようなそんな感覚を想起させるようなものだった。
『私を欲する貴方は私に何を捧げるの?』
どうやらただ封印を解くだけでは仲間にはなってくれなさそうだ。




