家を買う
アロンさんを仲間に加えて一日経ち自分達は宿の部屋で今起こっている問題を話し合うことになった。
「とりあえず、家を買いましょう」
三人では手狭になった宿の一室ではお互い机で話し合っているのではなく自分はベットに腰を下ろしておりエリカはもう一つのベットに座りアロンさんは椅子に座っていると言った感じになっているのだ。
「申し訳ない。私のが体がいいばかりに」
「いえ、元々ここに三人は狭いですし仕方ありませんよ」
「そうですよ。アロンさん」
自分とエリカがそう言いながらこの世界での家の買い方を二人に記憶喪失という言い訳をして聞いてみる。聞いている限りは不動産があってそこから家を買うことが出来るとのことだ。ローン払いとかもあるらしい。
それならばすぐにでも行動することになり三人でこの都市にある不動産に行ってみるとすぐにスタッフが来てくれてそのまま一つの席に案内された。
それから色々提案されながら見ていくのだが自分はそもそも家やマンションを買ったりとかしたことがなく大学生の時も寮生活だったのでこういうのは何処から見ていくのが正しいのか分からないでいた。取り合えず、ダンジョンに近い方がいいのかなと思いエリカとアロンさんにこういうのどうかなと聞いてみるのだが
「ここは立地が悪いですね」
「ここですと冒険者同士でトラブルに巻き込まれる恐れがありますな」
とダメ出しを食らってしまった。難しい、家を買ったり建てたりしてもらっている家族の人達は色々考えながら家を買っていることとその難しさに頭が上がらない。
アロンさんとスタッフの口論を聞きながら何枚か渡された家とその見取り図を見ながら自分でも考えていると話がまとまったのかスタッフは立ち上がり店の奥に向かって行った。
「終わったの?」
「いえ、ここから何件か家を回って良さそうなのを選ぶことになる」
「・・・終わりました?」
エリカはもしかして寝ていたのか?そんな彼女をよそにアロンさんの話ではいいのが何件かあったのでそこに案内してもらうとのことでありスタッフさんも店の奥から鍵を取りに行っていたとの事だ。
都市を歩いたりトラムに乗って最初の目的地に着いた。そこは中央商業区の近くにある家であり周りの賑わいも聞こえて活気のあるいい場所だった。家の中も見て観るが中は広く一階、二階そして地下があり一通り整った家でありスタッフの話では元々はここでお店を開くはずだった人が諸事情によって購入を止めたとの事らしい。
なかなかいい家であるが自分達は他の候補を見るためにまた移動し始める。次に来た場所は住宅区の一角であり最初の家とは違い一軒家がそこに立っていた。ここの利点は交通の利便性でありトラムの他にもバスの様な物まであるとの事でどこの区画にも行けるとの事らしい。人口増加を想定して作られた場所であるとの事で今なら結構安く買えるとの事らしい。
最後に案内されたのは住宅区ではあるが二つ目に紹介された場所とは違った場所でダンジョンがある冒険区と呼ばれている場所にはほどほどの距離でありながら商業区のちょっと端にある大きな家がそこにはあった。
「結構大きな家ですね」
「はい、元々は冒険所の方々がクランハウスとして購入するはずだった場所なので・・・冒険者の皆様さなばここもおすすめさせていただきました」
クランハウス?という単語を聞いたことなかった俺はアロンさんの方を向く
「クランとは冒険者の集まりの事ですね。パーティー単位での行動から息の合った者達と集まってできる組織がクランとなります。大手になると50人規模にも膨れ上がります」
そういうのもあるのかと思いながらスタッフさんにある質問をする。
「ここを購入しようとしたその冒険者達はどうしたんですか?」
「・・・数か月前にダンジョンに入った切り帰ってきていません。冒険者協会もその人達を行方不明扱いとしています」
ダンジョン内での行方不明となり数か月となれば最悪の創造しかできない。悪いことを聞いてしまったがスタッフさんは咳払いをして
「この都市に生きていればよくあることです。活躍していた冒険者が一つのミスで死に至る。ここはそういった場所です」
スタッフさんはそう言って目をつぶっている。ここに生きている人達はそう言った事にはなれているのかもしれない・・・いや、なれてしまったのか。
そんなことを考えていた時、家を見て回っていたエリカとアロンさんは満足するだけの内装だったのだろう。自分自身もここが冒険者の為に作られている家というならばここが最適だと判断し即購入することになる。
お金に関しては値段が値段なだけにその場で払えず店に一回戻ってから払った。




