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新しい仲間

 取り調べを受けて数時間が経過し気づけばもう夜を回っていた。自分とエリカの事情聴取は簡単に終わったのだが問題はアロンさんの方だった。


 「だから、アロンおじ・・・アロンさんがそんなことをするわけがありません!!」

 「ですが、現に暗殺者が動いていますしお金のやり取りもありますので」


 アロンさんは記憶がない間に行った行動が問題でありエリカが倒した賊は裏の住人であり暗殺や人攫いなどを請け負っている組織だったらしくそれらを一掃して頭まで捕まえることが出来たのだがその頭の話ではアロンさんに雇われてやったと言っていてお金も貰っているとの事。一方でアロンさんはそんなことをやった覚えがないとの事で話が平行線になっているのだ。


 「我々の方では審議判定の魔道具などを使っての調査をしているのですが賊の話に偽りはないためアロン様が雇ったのは間違いないかと・・・それに彼は無断でダンジョンに入ったのでそのことでも罪に問われるかと」


 ダンジョンは冒険者登録をしていない場合、無断で入ったことになり罰金が発生する場合があるとの事だ。ダンジョンの中の資源を管理することが目的との事らしい。今回の件はアロンさん自身も記憶がないので罰金だけで済むはずなのだが賊を使い暗殺の命令もし本人も自分との戦闘をしてしまっているため罰金だけでは済まないとの事だ。


 「無断のダンジョン攻略に暗殺者を雇った暗殺未遂・・・流石に言い逃れは・・・」

 「そんな」

 「あの・・・もしこのまま進んだ場合どうなりますか」

 「暗殺指示に暗殺未遂に加え無断攻略で牢屋入りは確定でしょう。本人の状況から奴隷落ちはしないとは思いますが・・・」


 アロンさんが雇ったのは本当だとしても何も分からない状態でそんなことになるのは流石に・・・何とか減刑することは出来ないだろうか。


 「あの、自分達はアロンさんを減刑してほしいのですが何とかなりませんかね」

 「うーん・・・襲われた本人がそう言うなら罰金だけで済むとは思うのですがそれでも多額の賠償金が必要になるかと」

 「いくらですか?」

 

 お金で話が収まるならこっちとしてはありがたい。いくらかを聞いて受付の方は口ごもりながら高額な金額を言ってくるのでどこに出せばいいのかを聞き自分はお金を出しに行った。


 それからしばらくしてアロンさんが出て来た。こちらに気づくと申し訳なさそうに謝って来た。


 「すまなかったソウマ君。君を殺しかけたのに助けられたあげく高くの賠償金まで払ってもらうなんて何と礼を言っていいのか」

 「気にしないで・・・と言っても気にしてしまうでしょうからエリカが自分に頼んでやった事だと思ってください」


 エリカのおかげでなんて言っても自分もアロンさんにはエリカのことを話してくれたしな。


 「主様、本当にありがとうございます。アロン叔父さんを助けてもらって」

 「感謝はもういいよ。ところでアロンさん、本当に何も覚えていないんですか?」

 

 そう尋ねる考え込むが少しして首を横に振った。


 「いや、やはり何も思い出せない。少ししたら何か思い出すと思ったのだが・・・君と別れた後、そのまま都市を出ようとしていたのだがその後の事が全然・・・」

 「そうですか」


 少しでも情報があればアロンさんがもしかしたら誰かに襲われていたのなら真犯人を探せるかもしれなかったけど・・・ダメか。


 「アロン叔父さん、これからどうするの」

 「うむ・・・罪は免れたがソウマ君には多額の借金があるようなものだしな。この都市で働くつもりだ」


 この都市で働くことを決めているならば


 「それなら自分の所で働きませんか」

 「君の所でか?しかし、私は老体では長くはダンジョンで戦えないのだが」

 「それなら、自分の家庭教師をしてみませんか」


 自分はこの世界に対して余り詳しくないしアロンさんの様な見聞が広そうだし常識人でもある。自分の事象にも対応してくれそうだ。こんな形で頼むのも相手に拒否権がないようなものだけどもアロンさんにとってはある意味で都合がいい事もある。


 「エリカさんを見守ることもできます。カールさんとの約束を守れます」

 「ソウマ君」


 暴走していた時の事は覚えていないだろうけどあの時言った言葉に嘘はなかった。それならば近くで彼女の成長を見守っていけると思った。アロンさんは自分の提案にエリカを見てから困ったような表情をしながら答える。


 「この老害でよろしければ喜んでその役目を引き受けましょう」

 「アロン叔父さん」

 「はい、これからよろしくお願いします」


 最後に笑顔で答え自分達は新しい仲間を加えることになった。

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