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アロン戦

 洞窟に剣と剣がぶつかる音が響く。アロンさんの攻撃は重くはない、重くないのだがこちらの攻撃を流すように受けながら細かく攻撃を当ててくる。身体強化に使っている魔力は明らかに自分の方が上なのに見事にカウンターを食らっているのだ。


 だめだ、相手の方がこっちよりも剣での攻防がうますぎる。


 今は、魔力や防具によって守られているが細かな傷が出来てきている。長引けば確実に負ける。


 剣では勝てない。それは、今までアロンさんが積み上げて来た妙技でありこれを攻略するには自分に出来る事を全部出しきるしかない。

 少し離れて近くに転がっている石を思いっ切り相手の顔面に向かって蹴りる。


 「そんなものが当たる物か」


 当てるつもりなんてない。欲しいのはアロンさんの後ろに石があるということだ。明らかにこちらに意識がすべて向き石の警戒がなくなった瞬間に自分は動いた。


 空間転移


 エリカとの修行で声に出さなくても技が出るようになった。そのおかげで不意打ちにも使えるようになりアロンの背後に転移に成功する。


 「な!?」


 驚いているアロンは、体勢を立て直そうと距離をとろうとするが自分は逃がさないように接近する。今の自分が戦闘中に出来る事は常時身体強化をする事ともう一つ魔法を使う事だけだ。武装魔法は長時間できないので実戦向きではないし今回は相手を殺さずに倒さないといけないので斬空の様な殺傷性が高い技も使えない。

 老体とは思えない動きをするアロンさんに思いっ切り拳を腹に食らわせる。くの時になるアロンさんの体はそのまま壁に当たり鈍い音がする。元の世界だったら絶対ただでは済まないがアロンさんは立ち上がる。


 あれでダメならもうちょっと強めに攻撃するしかないなと思っているとアロンさんの動きが変わる。剣の持ち方を変えて今までとは別の型を取っている。注意深く警戒して


 「武闘一閃(ぶとういっせん)


 アロンさんがそう言ったと同時に横なぎに剣が振るわれると魔力を帯びた斬撃が飛んで来た。買い日する暇がなかった自分は全力で受け止めようとしてそのまま壁まで吹っ飛ばされた。


 「ぐぁ!?」


 背中に痛みがはしる。そのまま地面に膝をついて痛みの中で何が起きたのか考えようとしていたがそんな暇がいことをアロンさんを見て察する。さっきと同じ構えをしているアロンさんまた同じ技を使ってきた。放たれた攻撃を空間転移でかわし難を逃れるがこのままではアロンさんを倒すことが出来ない。


 勝負を仕掛けなければいけない。次にさっきの攻撃が飛んで来た時が勝負だ。


 動きながら的を散らしていき自分が空中に飛んだ瞬間を待っていたとばかりにアロンさんは先ほどの技を飛ばしてくる。それに合わせて空間転移で地面に転移するが相手はそれが分かっていたのだろう。地面に下りた瞬間にもう一度同じ技を打ってくる。


 「これで終わりだ!」


 斬撃が飛んでくる。一気にそれに突っ込んで魔法を放つ


 空間固定


 飛んで来た斬撃を止めて足に魔力を集中し一気に相手の懐まで接近する。斬撃が途中で止まったことに驚愕しているがこちらの接近に合わせてカウンターをしようとしているがこっち方が一歩速い。


 「これで目をさませ!!」


 剣の腹で思いっ切り攻撃する。老体に重い攻撃を二回も当てたのだ。骨などは折れていないだろうかと気絶したアロンさんをどうしたらいいか考えていた時だった。


 「主様!怪我はございませんか!」


 そう声をかけられてそちらを向くとエリカがそこに立っていた。


 「エリカ、どうしてここに?」

 「こちらに主様の命を狙ってきた賊が来ましたので片付けてこちらまで来たのですその人が主犯なのですね・・・ってアロン叔父さん」

 「あ、いや、えっと・・・これは」


 エリカの話も詳しく聞きたいのだが彼女がアロンさんを見た瞬間、信じられないものを見た結果、困惑し固まってしまった。


 「な、なんでアロン叔父さんが・・・」

 「・・・エリカ実は」


 ここまで来たら隠し事は出来ないと自分が前にアロンさんと会っていたことを伝えた。アロンさんがエリカが心配で自分と話がしたいということ今でもエリカの思っていたことなどすべてを話した。そしてエリカが奴隷になったきっかけも聞いたことを話した。


 「・・・そうだったんですか」

 「エリカ、聞きたいことがあるんだけどアロンさんはいきなり襲ってきたり情緒が不安定になった事があったりとかはないよね」

 「そんなことは決してありません!私がいた時は誰もが憧れていた理想の騎士だったのです」


 ここまで断固として否定するならやっぱりさっきの姿の方がおかしいのか?それとも今までの不満が爆発して自棄になったとか?


 あってばかりの人の事は自分にはわからなかったが自分が閉まった剣がいきなり震えだしたのを感じ剣を鞘から引き抜く。


 「なんだ?いきなり震えだして・・・え!?」


 剣を出した瞬間にアロンさんから黒い靄の様な物が自分が持っている剣に吸い込まれ始めた。完全に全部の黒い靄を吸い取った剣は何事もなかったかのように震えが止まった。自身の愛刀に何があったのか分からないがエリカもその光景にびっくりしている。アロンさんには自分が与えたダメージ以外に何の変化も見られないとの事だ。


 「うう・・・エリカ・・・ソウマ君・・・?」

 「アロン叔父さん!」

 「アロンさん、起きましたか」


 痛む体をエリカに支えながら起こす。話まりを見ても何が起きているのか分かっていないアロンさんは自分達がどうしているのか、ここが何処なのか分かっていなかった。とりあえずここがダンジョンの中で自分がアロンさんと戦ったことを話した。


 「私が君と戦った?何故そんなことを私はして・・・う」

 「取り合えず、外に出よう。エリカ!アロンさんを頼む・・・あと、エリカを襲った相手も外に出して冒険者協会に伝えよう」

 「わかりました。急ぎましょう」


 そうして自分達は急いで外に出て冒険者協会に報告した。アロンさんと襲ってきたという賊が運ばれていった。ただ、賊の方は何人か死んでいたらしくエリカも事情を詳しく聞くために連れて行かれた。勿論、奴隷であるエリカの所有者の自分も連れて行かれた。

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