※エリカ・リーバⅠ
私が王国から任務を賜った日の事を今でもよく覚えている。危険な魔道具を聖王国まで運んでいくだけなのだが本来はこんなことをする必要がなく見栄を張りたい王が無理やり私を使って護衛という項目で同行することになった。これだけならまだよかったのだが王太子が強引について来たことがすべてがおかしくなった要因だっただろう。
わがままを言ってすぐに休もうとするし魔物との戦闘を避けるために進んでいるのに戦えと言ってきたり私の事を性的な目で観てきて正直に言うと彼のせいで聖王国につくのが遅れているのは間違いなく聖王国から来た騎士達にも多大な迷惑を被ってしまった。
そしてあの日、王太子のわがままの結果予定よりも遅くなって街にはいり皆が休んでいたなか封印を施してある荷の確認をする為に数人で見に行った時だった。一瞬のすきをついて荷の封印を破った王太子が魔道具を手にしている光景を発見してしまったのだ。魔道具も起動し掛けていたために私はそのまま王太子から魔道具を奪い人のいない場所まで一気に駆けた。
そこからの事は何も覚えていない。魔道具から発生する魔法によって私は意識を奪われ築いたときにはすべてが終わっていた。私を拘束魔法で動けなくしているボロボロの聖王国の騎士と無残な姿になっている王国の騎士達が私の目の前に広がっていた。それからは聖王国に運ばれた私は裁判を受け奴隷のみとなり二度と王国に帰れない身となった。だがそれに関しては余り悲しくはなかった。もしも街で私が暴れていたら被害は計り知れなかっただろうことは容易に想像出来たからだ。
私にとっては剣聖の称号などどうでもよかった。ただ、父の様な弱き人々を守れる騎士になりたかったし父が死んだあと私の面倒を見てくれた叔父とも言っていい人に恥じないように生きようとと決めていたからだ。
そして私が奴隷として売られる日が来た。セイディオ都市に売りに出された私は多くの人が競りをし始める。どんどん値が上がっていき
「100」
その声と共に私は彼の物になったのだがどうせ奴隷などを買うような人間なのだから私を道楽の道具にするかダンジョンで戦わせようとしているのだろうと思っていた・・・いたのだが
「エリカさん!どうか自分の師匠になってくれませんか!!」
いきなりの師匠になってくれと言われた私は考えていた事とは違う回答に何故かを聞いてみると彼はダンジョンの最上階を目指しどんな願いも叶うと言う伝説を信じてここの来たのだが全く戦えなく自分を鍛えてくれる人を探していたとの事だった。内容は分かったのだが所々に嘘が入っているのだが私が彼の案に同意するとほっとした顔をしている。うん、この人は嘘が下手な人なんだな。
それから模擬戦をし実力を見てと色々あたが特質する魔法を使うが使いこなせず、自身でもよくわかっていない剣の構えをしたりと本当に戦い方が分かっていないことが分かった。それでは最上階など夢のまた夢でしかないのだが彼は全く諦めていない。それどころか
「最底辺なら後は上がるだけだな。これからよろしく頼む」
むしろものすごく前向きに私の教えを求めて来た。人に教える事はあったが誰もついてこれず離れて行った訓練を彼は食らいついて来た。それが続いて行く中で私は自分から彼に色々聞くようになった。世間話というのは苦手なのだが彼と話したいと思い話始める。
記憶がない事も嘘ではあるだろうが何か世間に疎い。そんな彼の事を少しずつ知って行った。
信念があり、清くあろうと努め、素直に喜び、反省する真っ直ぐな人
そんな彼だから私は彼の願いをかなえてあげたいと心から思えるようになった。
「主様」
「うん?どうしたエリカ?さっきの模擬戦になにか改善点とかあったのか?」
「いえ、今のところはそのままでいいです」
これからもよろしくお願いします・・・主様。




