特訓 基礎編
手合わせから一週間が経過した。自分は走り込みと素振りと言った基本的な特訓をしながら毎日を過ごしていた。
「はぁ、はぁ」
「魔力が切れましたか。なら休憩にしましょう」
「はぁ・・・わかった」
魔力と身体能力を上げる特訓としてエリカが昔から毎日やっている物を今自分はこなしている。なんでも魔力を放出しながら体を動かすことで身体機能を向上することが出来るとの事らしい。
「それにしても魔力の使い方まで聞いて来た時は驚きましたよ。まさかなんとなくで今まで戦っていたなんて」
「ははは、面目ない」
最初にこの特訓のことを聞いた時に魔力をどうやって使うのかと質問して変な顔をされた。今まで散々使ってなんか力が抜ける感覚こそが魔力だったらしく。今まで何となくがようやく魔力という単語を理解した感じなのだ。
「魔力とは、その人の精神に直結する力であり意志の強さによって磨かれ大きくなる・・・だっけ」
「はい、心、技、体の中で心を司る力こそが魔力です」
ちなみに生きている存在はこの法則に当てはまっているらしく。世界にも当てはまるとの事だ。
「そして、体は自身の肉体の事であり器、鍛えればより多くの事を吸収し力を付けられるようになりそして心と体が合わさる事で技が生まれる」
教えてもらったことを復唱する。そう思うと自分って結構へんてこなんだなと思う。なんせ技が最初に合って心と体が備わっていないという感じなのだ。まあ、あの状況になって脱出することしか考えてなかったしこんなへんてこなことになるのは当然ではあるんだけどな。そんなことを考えてエリカの方を見て少し踏み込んだ話をしてみた。
「それにしてもエリカはこの鍛錬をいつも続けていたっていうけどいつからやっていたの?答えに食いなら言わなくていいけどさ」
「構いませんよ。私がこの鍛錬を始めたのは5歳からですね」
「へ~・・・て5歳!?」
今のエリカが俺と同い年である21ならば16年間もやっていたと言う事にじゃなくて!物心ついた時にはもうやっていたってことなのか!?そんな驚きを見せる自分を笑て観ている彼女はさらに話を進めていく。
「私には騎士の父がいました。その父に憧れて物心ついた時には既に剣を握っていたんです」
「父親は、反対しなかったのか?」
「う~ん、父は武骨な方でしてあんまり会話は得意ではなかったですね。休みの日も鍛錬をしていていつ休んでいるのだろうと子供の頃は思っていましたね」
懐かしそうに語る。その眼には遠い日の事を懐かしんでいるように見える。
「ある日、父が仕事をしている姿を目にしたんです。暴れ回る馬があわや人を踏みつぶそうとした時でした。父は何のためらいもなく馬と踏まれそうになった人の間に入り暴れ馬を抑え込んだんです。心配になった私は父に大丈夫と声をかけると言ったんです」
「なんて?」
「騎士たるもの弱きものを助けるのは当然のことだっと私に行ったんです。それが父の信念でもあったんでしょうが私はその姿を見て剣を手にすることを選んだんです」
目を輝かせて答える彼女の姿は自身のルーツを懐かしんでいる。
「何か納得したよ」
「何がですか?」
「初めて見た時からエリカはすごく武人っていう印象を持っていたんだけどそれは偉大な父親の影響だったんだなって」
「・・・そうですね」
笑っている彼女を見て自分はどうしても考えてしまう事があった。それだけの信念があり剣聖まで上り詰めた彼女はどうして奴隷という身分にまで落ちてしまったのだろう?聞けば教えてくれるかもしれないがそこまで踏み込んだことは今は聞くべきではないと思い心の中にしまい込んだ。
「そろそろ訓練を再開しましょうか」
「ああ、始めよう」
そうして夜まで続いた訓練は自分が動けなくなるまで続いた。
それからも修行は続き一ヶ月が過ぎた。今は、店で買った木刀でエリカと打ち合っている。
「そうそう、強化魔法を解かずに打ち込んでください」
「おう!」
まあ、軽くあしらわれながらなんですけどね。今は身体強化をしながら打ち合っているとベキっという音と共に自分が持っている木刀が折れてしまった。
「あ・・・悪い」
「謝る必要はありませんよ」
折れた木刀を空間に仕舞い新しい木刀を取り出す。うーん・・・自分の木刀は折れるのにエリカの木刀は全く折れないのはなんでなんだろう?木刀での打ち込みが始まってからエリカの木刀はかえることがないのだ。何か別の事をしているのだろうか?木刀を振りながらどうしてなのか考えていると
「主様、そろそろ頃合いかも知れません」
「頃合いって?」
「ダンジョンに挑みましょう」
「!」
ある程度の基礎が整うまではダンジョンに潜らないと言うエリカの方針に従い鍛えて来たがついに許可が下りた。
「今の主様なら少し先まで行けるはずです。挑んでみませんか」
「行くよ!今からか」
「いえ、今日はこれで修行を止めて休み明日挑みましょう」
ダンジョンに最初に入ってから一ヶ月経ちついにリベンジの時が来た。




