修行開始 欠点
そうして翌日の朝に自分達は空間作成で作った空間の中に入っていた。エリカさんは空間を観察し足で地面の感触を確かめている。
「なるぼど、ここまでの広さなら十分動き回れますね」
広さは最初に力を使う時に考えていたイメージで野球で使うドームを想像しいたのでそれぐらいの広さがある。
「それでは、今日から主様の修行を開始します」
「はい、エリカ先生」
「先生はよしてください。出来れば呼び捨てでお願いします」
「・・・わかった。これからよろしくお願いします。エリカ」
俺はそう答える。そして軽く準備運動をするとエリカは俺に対峙するように立つ
「では最初に主様の実力を見たいので10本ほど手合わせしましょう」
「いきなり?」
「はい、適正な指導をするならばまずは力量を知らなくてはいけません。全力で来てください」
そう言うエリカからは凄みを感じる。剣を使い慣れているのだろう剣を構える所作によどみがなく美しいとまで思えてしまうほどだ。剣を構える俺は初めての対人戦にドキドキしながらエリカの注文通り全力で挑む。
自分より圧倒的強いのだから遠慮しても意味がない!
「斬空!」
そう思い思いっ切り飛ぶ斬撃を放つがエリカは全く動じることなく最小限の行動でかわす。自分は何度も斬空を放つが全く当たる気配がない。ならば
「空間転移」
斬空との位置を入れ替えてエリカの後ろに回り込む。これならばと剣を振り下ろそうとした時だった。
ドン!
何かをされた。いや、背中にいた自分は今エリカに倒されて首元に剣を向けられていた。一瞬の事過ぎて全く分からなかった。
「一本ですね」
全く疲れていないのだろう余裕の笑みを浮かべている。すぐに自分を放し少し距離をとる。
「さあ、残り9本です。どんどん来てください。反省点などは終わってからです」
「・・・わかった」
そう言ったエリカに自分は戦うのだが全く攻撃は当たらず結局0勝10敗と大敗した。勝てるとは全く思っていなかったがここまで何もできないとは思ってもいなかった。自身の力のなさに嘆いていた時だった。エリカはそんな自分に近づいてきた。
「そんなに落胆しないでください」
「エリカ」
「主様の事情は聴きました。誰だって初めてすることは初心者なんです。戦いだってそうです。むしろまっさらな状態ならば色んな事を一から学べると前向きに考えるべきです」
前向きに考える。確かに今の自分ではダンジョンを上ることは出来ない。帰りたいという気持ちと過ぎていく日付に知らないうちに焦っていたのかもしれない。
「・・・ありがとう。頑張るよ」
「はい。それではまず私が見た感じのことを言わせてもらいます。ずばり主様は全く戦闘をしたことがありませんね。したとしてもここ数日が初めてと言った感じでしょうか」
「師匠になってくれって言ったから初心者なのはそうだけど数日ってところまで分かるのか」
エリカは頷いて根拠を話始める。
「最初に分かったのは立ち方と警戒の仕方ですね。何かをまねたような自分の物にしてない感じが伝わってきました。それに構えた後も私に対する警戒が曖昧でこちらに集中しきれていないのが分かりまして何か考えながら立っているなって見て分かりました」
見ただけでそこまで分かってしまうものなのかと驚いていると「今驚いていますね」と言われて本当に見ただけで相手の心が手に取るように分かっているのだろう。
「基本、基礎が全くできていなく。身体も全く鍛えていないことが分かります。そこから数日の間に戦い始めたのではないかと考察しました。そして何より・・・」
そう言ってエリカは自分の手を取ってくる。手のひらを見ながら
「柔らかく綺麗な手です。もしかして戦闘などでは刃物などを持ったことがないことが分かります。魔法使いなどなら分かりますが武器を使う人ならばこんな手にはなりません。余程見栄えを重視しない限りは」
「・・・参ったな。全部正解だよ」
確かに元の世界でも武器なんて持ったことはない。エリカは相手を見る目が以上に長けているのだろう。全部当たっているのだ。
「あと、さっきのはとても危ないので止めてください」
「さっきのって?」
「私の後ろに回り込ん魔法です。場所を入れ替える技なのでしょうが斬撃と場所を入れ替えたせいで主様も斬撃の射線上でしたよ」
「・・・・・・あ」
エリカの後ろを取る事に意識を集中しすぎていてその後の事を考えていなかった。
「これは、教えることが色々ありますね。取り合えずは基礎体力をつけて行きましょう。このままではダンジョンを踏破するなんて不可能ですから」
「・・・ああ、よろしく頼む」
そして自分の修行が始まった。




