宝箱の中身は…?
「「「じゃあ、開けますか〜!」」」
俺達は初めて見つけた宝箱を開けようとしていた。
「「「せーの!」」」
宝箱が開いた。さて、中には何が入ってるんだ?
…出てきたのは金貨3枚と3枚のチケットのようなもの。
「なんかもうちょっと豪華なの期待してたね〜…。」
結菜が残念そうに呟く。
「まぁ、こんなもんだろ。あるだけマシじゃんか。…期待してなくもなかったけど。」
永遠もちょっと期待してたみたいだ。
確かに、金貨数百枚!とか、めっちゃかっこいいアイテム!とか期待してた自分がいたからな〜。
宝箱も何やら古そうだったから色々入ってるって思ったのに…。
金貨…。あ、そーいえば日本円1円分がこっちのお金、200ウォル分らしい。
はい、ここで佐藤蓮の計算教室〜!(俺の名前覚えてた?)はい、拍手〜。そこの君!ありがとう、そこのあなた!ありがとう。
一人さみしくやってるやってるところで真面目に計算していきま〜す。
(1)クラウ・ソラスを40万ウォルだったのを20万ウォルで買いました。この時のクラウ・ソラスの値段を日本円で求めなさい。
(この時の1ウォルは日本円200円分とする。)
この大問1分かった人、手を上げて〜!はい、そこの君!えっ?ダンジョン内で何やってるんだって?
ちょっとくらい先生気分を味わわせてくれよ!はい、もういいで〜す。
200×20万=4000万
はい、こうなるので答えは4000万円でした〜。……………4000万円!?
あっ、ごめん先生なのに計算ミスった。え〜っともう一回計算してっと。
いちじゅうひゃくせんまん……………やっぱり4000万だ…。
あっ、ごめん先生やっぱ天才だった。
はい、クラウ・ソラスは4000万で〜す。びっくりした?先生はビックリしすぎてびっくりしてない。
ってことは隠れ身の蓑も4000万円……。クラウ・ソラスに関しては値引きしてもらってあの値段だから………8000万。
転生した時点で50万ウォルあったから………1億円………。
正気に戻ってみるとやべーわ。
神様、よっ、太っ腹!!ありがたや、ありがたや。毎日祈りでも捧げようかな。
…じゃなくて、そりゃ武器屋のおじちゃんも中1の子どもが1億持ってるって言っても信じないよね。
「じゃあ、この金貨と何かのチケットみたいなのそれぞれ一個ずつで。」
俺が頭の中であれこれしている内に永遠が仕切ってそうなった。
「「おっけ〜。」」
まぁ、大したお金にならないと思うけどね。もらっておくに越したことはない。
大分休憩したしそろそろ攻略を再開するか。レベル上げもしておきたいし。
「じゃあ攻略を進めよう!」
「「おー!」」
攻略を再開して初めての獲物はゴブリンとオークとゾンビとスライム。
これだけ聞いて、
「えっ、多くない?」って思ったそこのあなた!まだ、判断するには早すぎる。
なんと、なぜかそれぞれのモンスター、一匹ずつがまとまった集団だったのだ。
まぁ、やることは変わらないけど。
まず、俺のクラウ・ソラスを双剣モードにして出た光で目潰し。(卑怯なんて言うなよ)
今回は余裕があるからそれぞれのモンスターの動きを見てみるか。
まずはオーク。動きは大振りで読みやすい。当たればダメージは大きいが避ければ問題なしって感じかな。
次にゾンビ。動きは鈍いが体力が多い。あとは状態異常が効きづらそうだな。
次はゴブリン。動きはどちらかというと速いというか、すばしっこい。…それ以外は特に何も。
最後にスライム。ずっとぷにぷにしてるだけ。……と言いたいがこいつは舐め過ぎたらよくない。放っておいたら足にまとわりついてきて拘束してくる。意外に厄介だ。
これらの事を意識すれば一撃も喰らうことはないと思う。
まず、俺が敵を引き付ける。……ここ!隙をついてオークとゾンビに斬撃をくらわせる。
俺がヘイトを買っている間、永遠が槍で一気に一突き。スライムとオークを倒した。
そのあと、結菜が弓でゴブリンを射る。見事魔物のコア部分に命中しゴブリンも倒した。
最後にスライムのコアを俺が攻撃しスライムも無事に倒した。
下級モンスター軍団くらいならあっという間に全滅できるな。
「ぜ〜んぜん、よゆーだね!」
結菜も俺と似たようなことを考えていたらしく笑いながらそう言った。
「まぁ、一層目で手間取ってもな。」
永遠がいつも通り、呆れた顔で返す。これで俺らの会話が成立していると言っても過言ではない。
まぁ、なんかあれだな。平和ってやつ。俺はふと思った。こんな日が続いていけばいいな。
俺はこの願いを叶えるためにこれからもダンジョン攻略に励んでいく。
よーし、やるぞ!