水を注ぐなら?
あ、さっきのスライムは逃げちゃったか。ま、スライムはたくさんいるだろ。
俺は歩くのを再開しようと思い一歩踏み出した。…と思ったらあ、スライムいるわ。さっきのやつか?
う〜ん、それだったらマヌケだなぁ。よし倒してやるか。
「雷!」
後ろにいる俺に気づいていないようで、雷はスライムの核に命中。小さな魔石を残してあの世に行った。
はいおっけい。思ったよりもいけるかも?
――後から考えると、こう高を括ったのがよくなかったのかったよかもしれない。
よ〜し、2体目!目の前には、ぽよんと揺れたスライムがいる。一面草原のこの場所には下級モンスターなどがいる。
「雷!」
スライムの核を狙って撃った雷は、見事に……避けられた。くそ〜、動く相手はやっぱり違うな。
雷の速度を見てからは絶対に避けられない。だから必殺の威力さえあれば、とんでもない魔法になる。
そのことを頭では理解しつつも思いのほか当てるのが難しい。気づけばさらに何発か外してしまっていた。
体の怠さに気づいてマナポーションをくびっといく。なんか独特の感覚だよな、ポーション。
美味しいような不味いような、甘いような苦いような、酸っぱいようで辛いような…?
とにかく俺の語彙力では説明できない。(そこら辺の国語教師呼んでこい。)
これ、言い表せる人募集中。あ、もちろん時給1000円な。
余計なことを考えつつ、頭の中で解決策を考えていた。ポヨンポヨンと不規則に動くこの自由研究テーマは中々に手強い。
狙ったところには撃てる。だがこいつ…勘がいい?それとも無邪気か?ずっと動き回っていて撃ったときには別の場所にいる。
まさに5歳児。この瞳の輝き、無邪気さ、無尽蔵の体力。(ついでにマグロな。)
まぁ、分かっている。一手先のところを打てばいいと。しかし、どこに撃てばいいのか……。
ピンポイントでいつ、どこに、しかも核を狙わないといけないとなると難易度が跳ね上がる。
やべぇ、マナポーションもっと買っとけばよかったかも。有り余る金の使い道を見つけたのかもしれない。
今後悔していても遅い。無いものは無いしあるものはある。それに、新しく作り出すことも…ね。
――何発もこいつに撃ち続けてわかった事がある。そう、それは避ける方へ少しだけ傾いて縮み、ジャンプすることだ。
おかげでやっと、かするようになってきた。次は行ける。絶対。
欠けてきた集中力をもう一度上げ、スライムを観察する。ジャンプする、縮む。ジャンプする縮む。
ループしているこの運動、止めてやるよ!スライムは俺のいる方に若干傾いて縮んでいる。これはいける!
タイミングを見計らい、スライムがジャンプした。着地する瞬間に――
「雷!」
俺渾身の一撃はスライムの核に命中した。よぉいいしょぉぉおおお!こいつに溜まってた鬱憤晴らしてやったり!
こいつやけに避けやがってたから正直イラッとしてたんだよ。運なのか勘なのか。しっかし結構時間かかっちゃったな。
スライム一匹とは釣り合わないほどのポーションと時間をかけてしまった。でも次からは外さない。
こっからどんどん狩ってくぞ!
――「雷!」
今日、何十回目の雷を撃つ。ここしかないというところに雷が落ちスライムはあっけなく魔石と化した。
ふぅ、もうスライムなんて楽勝になってきたな。多少の疲労感を覚えつつも達成感の方が大きかった。
今ので30連続抜きか。スキルレベルも…もう4か。ウインドを確認しながら俺は思った。
「でもなぁ、まだなんか…なんかできる気がするんだよな。」
そう、なんか無駄がある気がする。もちろん工夫できるところなんかもっとある。
でも、今の魔法に大っきな見落とし?をしてるような感覚だ。
今の俺の雷はやっと攻撃を当てられるようになっただけ。言えばスタートラインに立っただけと言っても過言ではない。
「はぁ…どうしたものか。」
ここからが大切だ。じゃないとダンジョンでは倒す効率が全然悪い。クラウ・ソラスで一発だし。
………ん?効率?
「そうだよ、効率が悪いんだ!」
雷を撃つ時に無駄に魔力を消費している。薄々感じていたことが、やっと理解できた。
今の魔力では、満タンの状態から雷を約5回程撃てる。多分だけど、そもそも稲妻を想像してる時から魔力がじりじり出てる。
まずはこれを無くす。そして、その後に発動した時の無駄をなくす。
これも多分なんだけど、容器があるとすると満タンまで入れようとして水が思いっきり溢れ出してる。
勢いよく水を入れてるってのもあるかもしれないんだけどね。
これも直すとかなり効率が良くなるハズだ。…俺の推測からすると。
「とにかく無駄を無くす…か。」
まずは力まない。雷を出すぞ!とイメージすると魔力がちょっとずつ出てくんだよな。
だから、ナチュラルにナチュラルに。そして思考をスムーズに。
俺は5割ほどで走りながら、見えてくるスライムたちに雷を撃った。すぐさま魔石を回収する。
「結構難しいな。」
頬に当たる風のことなど気にせずに突き進んでいく。
思考に無駄があったら追いつけない程のスピードで倒していく。これを続ければ確実に無駄がなくなる。
また魔石を回収しながら、マナポーションを飲もうとした。が、あと1回分くらい余裕があることに気づいた。
撃てる回数は明らかに多くなってる。思考の無駄はなくなってきてる。
「次は水があふれないイメージかな。」
早く雷を撃つためには、やはり勢いよく水を注がなければならない。(イメージの話です)
勢いよく注いだとしたら確かに雷は早く撃てる。しかし、周りをよく見ると水でびしゃびしゃ。
表面だけ、結果だけを見てはいけない。大事なのは過程とも言わない。大切なのは、そうどっちもだ。
水が溢れないかつ、素早く水を注ぐ。(何度も言いますがイメージの話です)
子供の頃よくやらかしていた、ギリギリまで注ごうとしてお茶が溢れるということを。
「ならギリギリまで注がなければいい。」
8割くらいまで来たらピタッと止める、勢い余って上の方までいったが、結果的にこれで良い。
なにせ、ギリギリで止められるのならそっちのほうがいいから。
前方に見えたスライムに雷を撃つ。あきらかに少ない魔力で放ったその稲妻は威力は変わらずに核を貫いていた。
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