パーティ名を決めよう
「あ!お前らパーティ名も決めとけよ?」
「「「パーティ名?」」」
「あぁ。Cランク以上の奴らはパーティ名を持ってる。それが自分たちの象徴であると共に誇りでもある。」
うわぁ〜。こういう名前とか考えることしょっちゅうしてたな〜。ちっちゃいころとかゲームの名前に30分悩んだりしてたわ。
異世界アニメ見てた時なんか必殺技の名前なんか常に考えてた。もちろんパーティ名も。
…ただ、厨二病っぽい名前しかないから駄目だな。人には言えない。絶対。
「なんかダンジョンに関係する感じとかが良くない〜?」
確かに結菜もたまには良いこと言うじゃん。(怒られそうなので声には出さない。)
「でもやっぱりかっこいい名前がいいよな〜。」
永遠も絶対に厨二病っぽい名前考えてたな。俺にはわかる。わかるぞ。
結菜は最初の方は真剣に考えてたが、考え始めてすぐに
「そっちの2人で決めていいよ。私こういうのあんま分かんないし。」
譲ってくれたように見えるがこれは面倒くさくなっただけだな。うん。
まぁいい。さっさとパーティ名決めて宿に帰ってバタンキューだ。(何回言うの?)
ダンジョンに関することマジカルバナナみたいに上げてくか?
ダンジョン…、モンスター…、100階層…、ハンター…、最強…?…いまいちしっくりこない。
英語とか?オールマイティー、ストロンゲスト、…グッド?
あっ、ちょっと良いの思いついたかも。まぁ、厨二病が入ってないわけないけどさ。
「思いついた。パーティ名、 ハンドレッドアライブス でどうだ?」
俺の渾身のネーミング、これでどうだ!
「あー、あれか?100階層に辿り着く者達って意味だよな?」
「あぁ。」
やっぱり永遠は厨二病仲間決定だな!
「いいと思うよ!なんかカッコいいし!」
結菜まで分かってくれるとは!今までは散々俺のネーミングセンスを馬鹿にしてきたのに。やっと見直させたぜ。
「じゃあ、パーティ名は ハンドレッドアライブス で決まりだな?」
それまでじっと事の行き先を見守ってたBさんの言葉に返事をした瞬間から、俺らはハンドレッドアライブスだ。
「「「はい!」」」
こうして俺らのパーティ名は無事にハンドレッドアライブスに決定した。
あっ、そうだ。Bさんの名前なんて言うんだろう?まだ自己紹介もしてなかったしな。あっちは色々知ってると思うけど。
俺は一度気になってしまったら最後。分かるまでずっと考えてしまう癖があるのだ。
あまりいい癖じゃない。ただ、この癖のお陰で勉強もできるようになった気がする。
「あの〜、まだ名前を聞いてなかったんですが…。」
「おぉ!そうだったか。すまんすまん、うっかりしてたわ。俺の名前はアルクス。ここのギルドマスターだ。」
…ようやく落ち着いてきた俺達の心臓は再び激しく脈を打ち始めた。
「「「ぎっ、ギルドマスター!?」」」
「あれ?知らなかったのか?」
アルクスさんは意外とおっちょこちょいかもしれない。それか余程ひとを驚かせるのが好きなのか。
「そりゃそうですよ。ギルマス。異世界に転移されてまだ間も無いんですよ。あ、私の名前はアイラで副ギルドマスターをしてます。」
今度は副ギルドマスターのドッキリか?この人達、人の心情がわからないのだろうか?
アイラさんは俺にやたら笑顔で話しかけてくる。俺何かしたっけ?なんでなんだ。
「あなた達は規格外なので私が鑑定所にて対応させていただきます。」
はぁ。問題児みたいに扱われてね?まぁ、もうどうでもいいや。
「なんで副ギルドマスターなのに鑑定員をしてるんですか?」
結菜が聞いた。そうそれ!俺も気になってた。
「毎日、異常がないのか、もし何かあった時のためにあそこで冒険者の人を見守っているんですよ〜。」
アイラさんは笑顔で答えてくれた。ずっと笑顔で対応するの大変そうだな。少しはできてもずっとは俺もできない。
「はいっ、ということなのでハンドレッドアライブスさん達これからも頑張ってくださいね。」
「「「はい!」」」
「あっ、でも無理しなくていいですよ。私達の仕事が増えるので。」
なんかアイラさんちょっと素が出てる。鑑定員してる時と違うけど逆にそっちの方が面白くていいと思う。
キツくて、楽しくて、驚いて、面白かった冒険者初日は、笑顔で終わった。
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