第3話 チンコがねえⅡ
「美少女のクセに蛮族みてえな奇声吐きやがんぞ!!!?」
すると手前に居たイケメン二匹が俺を指差して叫んだ。
「ア゛!?
蛮族はてめえらだろうがボケェ!!!!
スッ殺すぞ!?」
俺は即座に二匹を睨みつけ、言い返す。
「ああ!?
てめえこそどこの家のもんじゃワレェ!?」
すると、イケメンどもの奥から高身長の黒髪ロング半裸イケメンが出てきて俺に言ってきた。
どうやらコイツがこの群れのボスらしい。
モブの顔などに覚えはないが、恐らく二年生だ。
「知らんのかボケェ!!!
俺はグランデュール公爵家令嬢だぞゴルァ!!!?」
俺は言い返した。
腐っても公爵家。
先の王子ほどの身分ではないが、一般貴族がその名を聞けば震えあがるはず。
そう思ったのだが、
「グランデュールがなんぼのもんじゃい!!!?
こちとら王国始まって以来最強の『勇者のお孫さん』がバックについとるんじゃザコメスゥ!!!!」
たちまちボスイケメンが言い返してくる。
最強勇者の孫?
そういえばそんな奴が学園に居たような。
まあ今はどうでもいい。
襲ってくるってんなら全員まとめてぶっ殺す。
「あ……あの!?」
なんて俺が思っていると、急に背後に引っ張られた。
振り向くまでもない。
俺が助けてやった女……コスモスが俺の腕を掴んだのである。
「オナシス様……ですよね!?
どうして助けて下さるのかわかりませんが、
私には構わず逃げてください!」
コスモスが少し戸惑ったような顔で俺に言ってきた。
以前と性格が余りにも違うからだろう。
前は『ですわ』口調のお嬢様だったし、そもそもコスモスをイジメまくっていたからな。
「黙ってろクソが」
説明するのが面倒くさいのでそれだけ言っておく。
「フンッ!!
構わねえ!!!
お前ら!
まとめてブチ犯してやれ!!!」
するとボスイケメンが号令を放った。
「「「ウオッシャアアアアアアアアアッ!!!!!」」」
「「「レイプの時間だああああああああああッ!!!!!」」」
続けざまに、総勢30名近い白馬にまたがったモブイケメンどもが俺とヒロイン目がけて突進してくる。
次々と馬上から棘付きの鉄球や巨大なハンマーが振り下ろされるが、俺はそれらを難なく躱した。
連中は馬の機動力を活かして前後左右あらゆる方向から攻撃を加えてくるが、全く当たる気配がない。
「なんだコイツ!?」
「当たらねえ!?」
それも当然だった。
相手の動きを注視するだけで敵の動きがスローモーションになる。
これも俺の体中を駆け巡る潜在魔力のお陰だった。
危険を感じただけで、反射速度や脳の情報処理能力などが桁違いに上がるのである。
更に集中すれば、殆ど時が停まったようにすら感じた。
さっきの王子よりも格段に遅え。
これなら目を瞑っていても避けられるぜ。
「死ねッ!!!!」
イケメンどもの攻撃をあらかた躱すと、近場のイケメンの足をひっ掴んだ。
そいつの体を武器代わりにしてブン回す。
一振り、二振り、三振り。
モブイケメンどもが白馬ごと吹っ飛んでいく。
三十秒と経たないうちにその場に立っているイケメンはごくわずかとなった。
「ヒヒイッ!?」
「このオンナ強すぎるッ!?」
そいつらも完全に戦意を喪失している。
太くて切れ長の眉、透き通るような瞳、プルップルの唇等で整っていた顔が涙鼻水その他で非常に情けない事になっている。
なんて俺が観察していると、
「こっちを見ろクソ女!!!」
突然俺の背後で誰かが叫んだ。
振り向けばコスモスがボスイケメンに捕まっている。
「人質だ!!
これで手も足も出せまい!!!」
奴が俺を嘲笑った。
形勢逆転と言いたいのだろう。
しまったな。
モブイケメンどもブチのめすのが楽しくて、女の事忘れてたぜ。
「ぐふふふふふううううううッッ!!
お前今から全裸で土下座しろ!!
そしたら特別にレイプだけで許して……ッッ!!?」
まだボスイケメンが喋っている最中だったが、俺は膝に少し力を入れて跳んだ。
一瞬で奴の目の前に現れると、奴の側頭部にハイキックを決める。
俺の蹴りで脳が揺さぶられたのだろう。
奴の両目がぐるんと裏返り、両膝から地面に崩れ落ちる。
巨体の下敷きになる手前で、コスモスを両手で抱え上げた。
いわゆるお姫様抱っこと言う奴だ。
「……ッ!」
俺の両腕の中で、コスモスが唖然としたまま俺を見返してくる。
パッチリとした目とパッツンパッツンの太ももが眩しい。
俺の人生、こんな間近で美少女と対面した事は一度もなかった。
心のチンコが屹立する。
「ダメだこいつ強すぎるうううううッ!!!?」
「勇者様助けてええええええええッ!!!!!」
残ったモブイケメンどもが、蜘蛛の子みたいに四方八方へと逃げていった。
メス一匹レイプできないとは情けない奴らだぜ。
俺がそんな風に逃げていくザコどもを眺めていると、
「あの……!
ありがとうございました。
お陰様で助かりました」
顔のすぐ傍でコスモスが言った。
奴は怪訝そうな顔で、
「でも、どうして助けて下さったんですか?
私のことお嫌いだと思っておりましたが……!」
俺に尋ねて来る。
「あ?
こんなエロいメス大好きに決まってんだろ」
俺は即答した。
エロい女は全て俺のものだ。
「え……そうなんですか?」
俺の返答を聞いて、コスモスはまだ怪訝そうな顔をしていた。
口元だけ少し笑っている。
冗談だとでも思ったのだろう。
冗談ではない。
俺の人生の目的は美しい女とヤる事。
それとハーレムだ。
「ヤらせろ」
単刀直入に言った。
「え……?」
俺の要求を聞くと、コスモスが再び怪訝そうな顔をする。
「助けてやったんだ。
お礼にチンコブチ込ませろ」
俺はいまだかつてないほど真剣な顔で要求した。
やっと女とセックスできるかもしれない。
そう思うと心がムラつく。
「言っておくが逃げても犯す。
お前はもう俺のオンナだからな。
決定事項だ」
俺がそう言うと、嫌がるかと思いきやコスモスは「ふふっ」と笑い出した。
そして、
「ええ。
構いませんよ」
ニッコリ笑って俺に言ってきた。
マジか!?
え!?
ピンク髪のメロン乳美少女と完全合意の上でセックスできる!?
「よっしゃあああああああッッ!!!!
お前はいい女だッッ!!!
俺のハーレムに加えた後も特別待遇で扱ってやるッッ!!!!」
俺はそう叫んで、さっそく下半身を露出しようとした。
「ありがとうございます♪」
コスモスが何故か微笑んでいる。
想い返せばクソみてえな人生だった。
親には無能だからとぶん殴られ、
学校ではイジメられ、
バイト先でもクソ店長やクソ客にバカにされ、それでもヘラヘラと愛想笑いしてご機嫌伺いをする毎日。
家でも勉強でも仕事でも、自分なりには頑張っていたのに結果が全く出なかった。
その怒りと哀しみの全てを俺は、ハーレムゲームによるオナニーで人知れず発散し続けていたのだ!
それが今。
この乙女ゲー世界でついに夢が叶う!!!
生きててよかったああああああああああ!!!!!!
「おッふうゥゥゥウウゥウゥウウゥゥ~~~……ん゛……ッ!?」
全身に喜びを感じ、泣きながら意気揚々とスカートを脱ぎ去ろうとしたその時、俺の手がピタッと止まる。
冷や汗がダラダラと流れ落ちた。
まさか……ッ!?
そんなはず!?
俺は慌てて股間を弄った。
パンパンとスカートの上から叩き、直接中を探る。
探る。
探る。
探り続ける!
だが一向に見つからない!?
そこにあるべきはずのモノがないのである!?
「チンコがねえじゃねえかあああああああああああああああああッ!?!?!?」
俺は頭を抱えて叫んだ。
どういうことだよオイ!?
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