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第十五章75 【覇王杯/オーバーロード・カップ/ヴィナフェリア・エクセリア・トゥルーヴェリティチーム】23/【ヴィナフェリア】の【ヴィンテージ・ボディー】1

 ショータイムは色々あったが、それだけだと【ヴィナフェリア】の事を中継したとは言えない。

 例え全体から見れば僅かな時間であろうとも【ヴィナフェリア】の行動を伝えるのが、正しい中継のあり方と言えるだろう。

 彼女の元には彼女のためにアピールをしようと思って集まって来た者達ばかりではない。

 彼女を自分の物にしようと思ってやって来た不届き者達も少なからず居た。

 そう言った相手の対処は、メンバー達がやっているかと言うと、そうではない。

 そう言った輩は、アピールをしようと思って集まって来た善意のある者達に混じってやってくる。

 そのため、メンバー達も対処に迷う事があった。

 その時、【ヴィナフェリア】自身が対処するのだ。

 【ヴィナフェリア】は、【河池(かわいけ) 祈清(きさや)】と【フェアリア】によって作られた最高傑作の【超造人間】/【姫超謎】である。

 【祈清】をモデルに作った【彩綾(さいりょう) (あや)】や【浮重文(ふじゅうぶん) 笙虚(しょうこ)】でも採用されている永遠の17歳(1日単位で保存が可能)を維持出来る【ヴィンテージ(VINTAGE)ボディー(BODY)】と言う自由に鮮度のある身体と入れ替える事が出来ると言う能力は、彼女の場合、1秒単位でそれが可能となる。

 彼女自身が、【フェアリア】の細胞を培養して生まれてそれほど経っていないと言うこともあり、この異能を使う機会はそれほど無いと思われるかも知れないが、1秒事に若い身体を切り取れる彼女が【分身】を作り、彼女を狙ってくる不届き者に対して個別に対処させる事など造作もない事だった。

 【ヴィンテージ・ボディー】の1体は、【ヴィナフェリア】を慕ってやって来た者達の中に隠れている悪意を正確に把握し、その悪意の者達を1名1名、別の異空間に連れ出した。

 【ヴィナフェリア】の【ヴィンテージ・ボディー】は、

『貴方は、私に対して善意で来られたのではありませんよね?

 どうか、このまま、お帰りいただくことは出来ませんか?』

 と言った。

 別の空間に強制移動させられた不届き者は、

『善意だぜ。

 お前を俺様の嫁にしてやるってんだ。

 これ以上の善意はねぇだろうが』

 と言った。

 【ヴィナフェリア】の【ヴィンテージ・ボディー】は、

『申し訳ありませんが、貴方のものになるつもりはございません。

 どうかお引き取りを』

 と言った。

 不届き者は、

『あぁ?

 俺様の嫁になるつもりはねぇって事か?

 だったら殺すしかねぇな。

 お前が他の男に抱かれるのはムカつくからなぁ』

 と言った。

 悪意の塊の様なこの男の名前は、【次元のならず者/ウキョヒクソコ】と言う。

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