第十五章72 【覇王杯/オーバーロード・カップ/ヴィナフェリア・エクセリア・トゥルーヴェリティチーム】20/ショータイム15
【パイファイ(【アデラ】役)】は、
「彼(【イータジータ(【一芳】役)】)の真似をしないで。
何者なの、貴方(【一芳】役)は?」
と尋ねた。
【イータジータ】の顔を左右反転させた【存在】は、
『俺は何者でもないさ。
ただ、間違いを正す者だ。
その【闇のドレス】は不完全だ。
出直して来い。
そのまま行っても、【闇の世界】からはじかれる。
時間を多少戻してやるから、やり直して来い』
と言った。
【パイファイ】は、
「え?、じ、時間を?
ってどれくらい?
どれくらい戻せるの?」
と聞いた。
【イータジータ】にそっくりな存在は、
『ご希望ならどれくらいでも可能だ。
まぁ、通常は1日・・・』
と言うと、それを遮る様に、
「18日。
18日戻して。
それなら彼(【イータジータ】)が助かる可能性がある。
出来るなら18日よ」
と言った。
『行っておくが起きてしまった事は大きく変えられないぜ。
変えてしまったらどんな事が起きるか・・・』
「かまわない。
彼が居ない世界なんてクソ喰らえよ。
もう、私は迷わない。
彼を信じる。
信じ抜く」
『その決断で他の悲劇が生まれる事だってあるんだぞ?』
「彼を失う事より大きな悲劇なんて無いわ。
だからやって。
絶対にやってちょうだい。
早く」
『わ、解った。
だが、後悔するなよ』
「後悔なんてしない。
さぁ早く」
【パイファイ】は強く願う。
例え、その事が多くの悲劇を生もうとも、今の彼女にとってはそれが全ての選択肢の集約した答えなのだから。




