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第十五章50 【覇王杯/オーバーロード・カップ/フェアリア・トゥルーヴェリティリアチーム】23/規定違反19

 主人格の中継に戻る前に、【フェアリア】の事を少し語ろう。

 彼女は、【シェリア】と共に、【ティシェルリア姫】と言う群体生命体のプリンセスの頭の部分を司る存在である。

 【ティシェルリア姫】が自殺したため、彼女の魂は罰を受け、【シェリア】と【フェアリア】と言う2人の人間として転生することになった。

 【シェリア】は、【右脳】、【フェアリア】は【左脳】と言う言い方をしているが、人間の【右脳】と【左脳】とは異なる意味で使われている。

 【シェリア】は、主に【ポジティブな部分】を司っているとされ、

 【フェアリア】は、主に【ネガティブな部分】を司っているとされている。

 つまり、【シェリア】の発想は明るい事が多く、

 【フェアリア】の発想は暗いことが多いとされている。

 ただし、【ティシェルリア姫】はネガティブな行動として【リア】(【芳一】の前世)の後追い自殺をしたので、【ネガティブ】な要素を多く持ち、結果として【フェアリア】の力の方が【シェリア】の力よりも上だとされている。

 それは【シェリア】自身も認めている。

 また、【シェリア】は、【フェアリア】と1つの存在になって【芳一】と結ばれたいと言う気持ちが強い。

 それに対して、【フェアリア】は、自分はマイナス部分だから、自分なんか居ない方が良い。

 自分は推し(【芳一】)を応援する立場で空気の様な存在になれれば良いと思っている節がある。

 つまり、【フェアリア】は【シェリア】と一緒になると言うよりも【ティシェルリア姫】の良い部分(だと思っている)【シェリア】が【芳一】と幸せになる方が良いと考えて居る所があるのだった。

 自分なんか・・・

 そう考えて、自分を貶めている。

 それが【フェアリア】と言う少女である。

 だが、人間はプラスの感情もあればマイナスの感情も当然ある。

 その2つを含めて初めて一人の人間なのだから。

 それを理解出来る様になるかどうか?

 それが、【フェアリア】と言う少女が成長するか否かの境目となっているのである。

 世界一の超絶美少女という容姿を持ちながら、それに反比例するかの様に自分に自信がない少女。

 それが【フェアリア】である。

 彼女の気持ちはほとんどの者に理解されなかった。

 なぜならば、世界一美しいからである。

 美人がそんな悩みなど有るわけ無いでしょと言う偏見で見られていた。

 だが、美人だろうが何だろうが、悩みはそれなりにあるのである。

 その人間にしか解らない悩みというものは存在する。

 それを理解してくれたのが彼女のチームメイト達であり、【芳一】である。

 【芳一】に憧れる気持ちは【シェリア】にも負けていない。

 ただ、自分に自信がないだけの話なのだ。

 それがまた大変な問題ではあるのだが。

 彼女が自信をつける日が来るかどうかはこれからの頑張り次第である。

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