第十五章45 【覇王杯/オーバーロード・カップ/フェアリア・トゥルーヴェリティリアチーム】18/規定違反14
【シェリア】のチームの中継でも触れたが、自分の作品の【世界観】を展開させた時、大きく分けて基本的に3パターンが考えられる。
1つ目は、【主人公】や【主要キャラ】と同期して、物語をエンディングや解決に向けて進めると言う方法である。
このパターンだと基本的に【主役】や【主要キャラ】として【物語】を忠実に再現する事が求められ、【シェリア】はこのパターンを選択している。
2つ目は、【主人公】や【主要キャラ】では無いが、その物語には存在して居なかった新たな【仲間】として参加し、物語をエンディングや解決に向けて進めると言う方法である。
このパターンだと基本的に【物語】にとっての【イレギュラー】であるため、【物語】を破綻させない様に行動するか、物語を従来のものよりも良い結果にするかのどちらかが求められる事になる。
3つ目は、【物語】には直接、参加せず、ゲームマスターとしてや、神の視点や導きなどを間接的に与えて、物語をエンディングや解決に向けて進めると言う方法になる。
このパターンだと基本的に【物語】を正確に再現するか、【マルチエンディング化】させて、別パターンを用意してそれをアピールとする事も考えられる。
【フェエリア】が選択したのは2つ目の【主人公】や【主要キャラ】では無いが、その物語には存在して居なかった新たな【仲間】として参加し、物語をエンディングや解決に向けて進めると言う方法である。
彼女はオリジナルメンバーを尊重するタイプであり、自分は主役にはならないと言う事を好むタイプである。
そのため、主人公や主要メンバーに迷惑のかからない形で、物語に参加するという2つ目の方法を選んだのだ。
それは他のメンバーにも徹底してもらっている。
主人公や主役が物語を進行するにおいて不自由の無い形で参加して、それを表現して【識者】にアピールをしようと言う考えである。
なので、【クリエイティブ・クリエイト創造的創作】では【モブキャラ】の様にふるまい、主人公の行動などに賛同して、行動する様にしている。
【サーティーン・カラーズ】の立像化プロジェクトもクリエイティブな活動をしている主人公達の部活の部員の一人として、参加し、作中では登場しない【サーティーン・カラーズ】を彼女が考えた【美少女騎士】の創作物として作ると言う事にしている。
でも流石に、超絶技巧で作られているため、主人公達に、
「君、無茶苦茶上手いね。
何者なんだい?」
と言われていた。
【フェアリア】は、【モブキャラ】に徹しようと思っていたので名前の無いキャラクターを演じていたつもりだったが、名乗らない訳にはいかなくなり、
「せせせ、拙者は、【唯野】でござる」
と咄嗟に言った。
【芳一】の名字を言ったのは、【芳一】の事を気にしていたからである。
主人公は、
「【唯野さん】か。
覚えておくよ。
君は凄い才能の持ち主だ」
と言って名前を覚えてしまった。
【フェアリア】
(ととと、咄嗟に【芳一殿】の名前を名乗ってしまった・・・
どどど、どうしよう・・・)
と挙動不審な態度を取った。
主人公は、
「どうしたの君?」
と聞いてきたが、
「ななな、何でもござらん。
きにしないでくだされ」
と言うのが精一杯だった。
この様に、もっと【クリエイティブ・クリエイト創造的創作】の世界を追っていきたいのだが、中継時間が限られているため、一旦、他のチームの中継をしてから戻ろうと思う。




