第十五章43 【覇王杯/オーバーロード・カップ/フェアリア・トゥルーヴェリティリアチーム】16/規定違反12
では、【フェアリア】の【オタ活】、【推し活】とは何を指すのだろうか?
公にしているのは【芳一】への【推し活】である。
【芳一】の作品全体の熱烈なファンである彼女は【芳一のグッズ】を収集している。
そして、【芳一】の作品には【魅力的な女性】がかなり多数、出てくる。
そこから、【フェアリア】は、【魅力的な美少女】を気にする様になったのだ。
【フェアリア】自身は世界一の美少女と言われ、地球上に居る女性の中では彼女を元に作られた【ヴィナフェリア】(フェアリアの130パーセント美少女とされる)以外に彼女を超える美少女はまず居ない。
だが、自分に自信を持っていない彼女は自分以外の【美少女】をキラキラしている様に見えて憧れる様になったのだった。
世界一の美少女に
「お美しいでござるな(ござるなは【主人格】の口癖)」
と言われても言われた方にしてみれば完全な嫌味でしかないのだが、彼女は本当に、【美少女】が大好きなのである。
【クィア】でもある【シェリア】の様に、【恋愛対象】として見ているのではないが、自分には無い魅力を一般的な【美少女】は持っている様な気がするのだ。
だが、【フェアリア】が応援するとその【美少女】達の笑顔は消える。
なぜならば、その【美少女】よりも、明らかに、応援している【フェアリア】の方が圧倒的に美しいからだ。
どんな、みすぼらしい格好をしたとしても、【フェアリア】が横に並ぶと、応援している【美少女】の方が引き立て役になってしまう。
いや、引き立て役ならまだましだ。
【美少女】は自分が酷く惨めに見えてしまうのだ。
だから、【美少女】達は【フェアリア】を嫌がる。
【フェアリア】が横に居ると確実に自分が霞むからだ。
それを知らない【フェアリア】は、自分が来ると例外なく、【美少女】達が嫌な顔をするので、自分は居ない方が良いとして、想像上の【美少女】や二次元の美少女を追う様になったのだ。
想像や二次元の【美少女】は自分が隣に居ても毛嫌いしない。
だから、安心して応援出来る。
そう言う経緯で、3次元/現実の【美少女】よりは、主に、創作の【美少女】にのめり込む様になっていた。
【フェアリア】は、自分が原因で【美少女】の性格が、ねじ曲がるのを酷く悲しんでいる。
【美少女】には、【魅力】を周りに振りまいて欲しい。
見ているだけで眼福を味わえる様な、キラキラした【美の化身】。
それが、【フェアリア】にとっての【美少女】の定義だった。
いくら周りに、
「嘘だ」
「貴女の方が綺麗だから」
「お世辞じゃないの?」
「んな訳ないでしょ」
「馬鹿げている」
と言われようとも、彼女は本気で【美少女】が好きなのである。
許されるのなら【コレクション】として飾って眺めていたいくらいにである。




