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第十五章27 【覇王杯/オーバーロード・カップ/シェリア・プルスフィリアチーム】25/規定違反20

 【シェリア】のチームの中継も後、僅かとなってしまった。

 結論を繰り返すが、彼女は【規定違反】をしているので【覇王/オーバーロード】には選ばれない。

 それは確実である。

 それでは、最後に、【シェリア/我螺(あがら)】と【キッド】の冒険で締めくくろうと思う。

 では、【シェリア/我螺(あがら)】と【キッド】の別れのシーンを中継しよう。

 【シェリア/我螺(あがら)】は、

「そんな事ない。

 【深秘果(しんぴか)】は必ず居る。

 私は誰に反対されてもそれは信じている。

 誰に反対されたって良い。

 私だけは貴女の言葉を信じている」

 と【キッド】に告げる。

 それは、【深秘果】の情報が全部出鱈目だと証明されてしまった時の出来事だ。

 打つ手無し。

 もう、どうにもならないと思った時、彼女の口から出た言葉だ。

 このままでは、彼女が嘘つきの烙印を押されてしまう。

 このままでは彼女の輝かしい未来に耐え難い、傷が出来てしまう。

 そう、思った【キッド】は、

『もう・・・良いよ。

 ・・・ありがとう・・・これを選択した時、俺は君とはいられなくなる。

 だけど、君が嘘つきにされてしまうのは我慢ならない。

 だから、告白する。

 俺は、【深秘果】だ。

 俺の存在が、【深秘果】を証明する。

 だから、俺を調べてくれ。

 俺の影を踏んで、チェックしてくれ。

 それで、君は、【深秘果】の研究者としては第一人者になる。

 俺はその方が嬉しい』

 と言った。

 【シェリア/我螺(あがら)】は、

「そんな・・・

 お別れになるの?

 だったら出来ないよ、私・・・」

 と言うが、【キッド】は、

『やるんだ。

 君の正しさを証明するために』

 と優しく微笑んだ。

 【シェリア/我螺(あがら)】は、

「出来ない・・・出来ないよ・・・

 だって、調べたら、お別れになっちゃうんだよ。

 そんなの嫌だよ。

 私、君と別れたくない。

 ずっと一緒だったんだよ。

 なのに、なんで?

 【深秘果】は、他にも居るでしょ?」

 と言った。

 【キッド】は、

『だけど、君の正しさを今、証明出来るのは俺しか居ない。

 だからやるんだ。

 君の未来のタメに。

 なぁに、また逢えるさ。

 君が【深秘果】の研究を続けている限り。

 俺は君を肯定する。

 君も俺を肯定してくれるんだろ?』

 と言う話になり、感動の1つのエンディングにつながるシーンとなる。

 だが、残念ながら、ここまでの様だ。

 【シェリア】のチームの中継は以上となる。

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