第十五章26 【覇王杯/オーバーロード・カップ/シェリア・プルスフィリアチーム】24/規定違反19
展開を第1部に戻したが、その前に【シェリア】は、【芳一】に恋の様な感覚を持っている。
【クィア】である彼女は、それが恋だか何だかよく解らないのだが、とにかく一緒に居たいと思う様になっていた。
そして、【フェアリア】にも同じ思いを抱いている。
【フェアリア】とは1つになりたいと言う願望を持っている。
それは身体を重ねたい(性行為)と言う意味ではない。
元の1つの存在になりたいと言う気持ちである。
【シェリア】と【フェアリア】は元々、【ティシェルリア姫】と言う群体生命体が転生して2人の人間になった存在である。
だから、1つになって【芳一】と結ばれたいと言う気持ちがどこかにあるのだ。
出逢った時【芳一】は、37歳、自分と【フェアリア】は16歳だった。
年の差、21歳。
2人の年齢を足しても32歳で5歳年下となる。
だが、2人が1つになれば、【芳一】とお似合いの年齢になる。
今のままなら子供扱いされて、ずっと相手にされないままだ。
そんなの嫌だ。
若い時代を犠牲にするのは辛い事だけど、16歳から32歳になって、【芳一】と一緒になりたい。
【フェアリア】はどう思って居るんだろうか?
【フェアリア】と1つの存在になって【芳一】と結ばれたいなんて、変に思われるかも知れない。
この気持ちは自分だけかも知れない。
だけど、どうしようもない。
この狂おしい気持ちは何だ?
恋というものなのか?
恋というのは生まれてこの方、したことがない。
なぜなら、周りにいたのは全部、自分に悪意を持っていたと思っていたから。
心の底から嫌悪していた。
だが、【芳一】の作品に触れて、気持ちが変わった。
【芳一】に逢いたくなった。
そして、【芳一】に逢った。
逢ったらもっと好きになった。
好きという感情にも色々あると思うが、【芳一】に対する気持ちは他とは明らかに違う。。
【芳一】にとっての一番になりたい。
そう言う気持ちがあるのだ。
そんな乙女の気持ちも少しずつではあるが芽生え初めていたのだった。
そう。
明らかに、彼女は【芳一】に対して恋をしている。
【芳一】に認められたい。
その気持ちが今の彼女を動かしているのだった。




