第十五章19 【覇王杯/オーバーロード・カップ/シェリア・プルスフィリアチーム】17/規定違反12
【キッド】は、
『ねーちゃん・・・』
と言った。
【シェリア/我螺】は、
「ん?なぁに?」
と言った。
『何で俺の事を信じてくれたんだ?
みんなに批難されてまで・・・』
「それはね、私は世の中に広まっている常識っていうのは全部が全部、正しいとは思っていないんだ。
中には間違った情報だってある。
だから、その間違った情報を正して、正しい情報を共有するべきだと思ったの。
だから、頭から無い。
有るわけ無いと言う言い方は好きじゃない。
だから、私は君の方の意見に賛同したの。
それじゃ答えにならないかな?」
『この町じゃ、【深秘果】や【真稀化】は存在しないと決めつけている。
何でなんだよ、もうっ・・・』
「それはね、私の曾曾お爺ちゃん・・・
【吟獅子 泰三】と言う人が、この世の生き物は、
【スモールカテゴリー】、
【ミドルカテゴリーショートカテゴライズ】、
【ミドルカテゴリーレギュラーカテゴライズ】、
【ミドルカテゴリービッグカテゴライズ】、
【ラージカテゴリー】、
で全て分類され、それ以外は存在しないと言う研究結果を発表して、それが認知されたからだよ。
特に【曾曾お爺ちゃん】が生まれ育ったこの町では、その考えは絶対だって事になっているの。
だから、親族の私でも反対意見を言えば、一族の面汚しとか言われて否定されるんだ。
だけどね、【曾曾お爺ちゃん】は、周りの反対意見を黙らせるだけの研究成果を出したから周りから尊敬される様になったの。
私も【曾曾お爺ちゃん】を尊敬している。
だけど、それとこれは別の話。
疑問に思ったら、私も誰が反対しようとそれを追求する。
それが、【吟獅子魂】だと私は思っている」
『誰が反対しようと関係ないって事か。
気に入った。
じゃあ、俺が、あんたを案内するよ。
カテゴリーに含まれないものが存在するってのを証明するために』
「そっか。
じゃあ、今から私達はパートナーだね。
よろしくね、パートナーさん」
『おう。
よろしくな』
と言う話になっていたのだった。
それから2人での冒険が始まったのだ。