第十五章18 【覇王杯/オーバーロード・カップ/シェリア・プルスフィリアチーム】16/規定違反11
【シェリア/我螺】が【たんぽぽぽん】にお礼を言っていると、崖の上から、
『おーい、大丈夫かぁ~っ?』
と言う声がした。
【シェリア/我螺】が、
「うん、大丈夫だよ。
今、そっちに戻るから待っててね、【キッド君】」
と言った。
【キッド君】と呼ばれたのは【キッド・チルドレン】と名乗っている少年である。
彼は、この【物語】の【キーキャラクター】となる【子供】である。
【シェリア/我螺】は、【キッド】と出逢い、【深秘果】や【真稀化】の存在を知るのである。
【キッド】は、町で、
『俺は、【深秘果】や【真稀化】が居るのを知っている。
俺は【深秘果】に育てられたんだから』
と言っていた。
町の人達は、
「何を馬鹿な事を」
「嘘つきは泥棒の始まりだよ」
「悪い子だ」
「何処の子だい?」
「頭の悪い子だ」
などと言って彼を馬鹿にしていた。
【キッド】は、
『俺は嘘なんかついてない。
本当のことなんだ』
と言って涙ぐんでいた。
そこへ通りかかった、【シェリア/我螺】は、
「こんな小さな子によってたかって何をしているんですか?
泣いているじゃないですか」
と言った。
町の人は、
「だってよぉ」
「こいつがあんまり変な事を言うから」
「嘘つかれたから」
「ほら吹きなんだよこいつは」
などと言っていたが、【シェリア/我螺】は、
「頭から否定する必要あるんですか?
この子の言うことを信じてあげると言う気持ちは無いのですか?」
と一人で彼をかばっていた。
それが二人の出逢いだった。
結局、【シェリア/我螺】も批難の対象となったが、彼女は一歩も引かなかった。