第七十一章 くのいち四姉妹 澪フィーバー止まらず
マスコミ対応とかで忙しいだろうと考え電話するのを遠慮していた、星璃だったが、ニュースから4日目に電話をした。「澪、色々忙しそうだけど身体にはじゅうぶん気をつけてやりなさい。」澪のファンが花を送ってくれたお礼と写真を送った。近藤さんからのお祝いメッセージも送った。澪のおかげでお店も繁盛している事も伝えた。「お姉ちゃん。電話有り難う、嬉しかった。小春お姉ちゃんと純麗お姉ちゃんからの連絡ないからどうしちゃたかな?」澪は逆に心配していた。「あなたが忙しくしてるから皆遠慮しているのよ。私もすぐ電話したかったけど今日になっちゃたから。そのうちくれるわよ。」星璃は優しく言った。澪が仕留めた熊との写真を送ってくれた。「この熊どうしたの?」星璃がふとした疑問を投げかけた。「その日に業者が来て買って行った。もう、誰かの胃袋の中だよ。結構、アンチの投稿があった。可哀想だとか、お前が野獣だとか、私達が人、殺しても可哀想だとか誰も言わないのにね。皆に忘れ去られるのに、人って矛盾だらけだね。お姉ちゃん。本当に豚や牛は、美味しいって食べてのにね。」澪が人間の矛盾について説いた。「そうだよね。お姉ちゃんなんか豚の骨煮込んでスープにしちゃてるし、今度は鶏だよ。澪のゆう通りだよ。」星璃も自分の商売も無関係じゃない事を思い知らされた。「私達は血の匂いしみこんじゃてるね。色んな意味でね。澪、さっきも言ったけど身体に気をつけてがんばりなさい。暇が出来たら島に顔出しなさい。まってるわよ。今、近藤夫妻が来てる。それじゃまたね。」星璃は電話を切った。澪はテレビで見るように元気だった。星璃も忙しいけど元気だった。星璃はテレビを見る暇はなかったがお客様が澪の情報を持って来てくれる日があれから何日も続いていた。澪フィーバーは続いていた。近藤夫妻が突然現れた午後はちょっと落ち着いていた。アフタヌーンタイムだった。「いらっしゃいませ!」店員全員で声を出した。「今、自由時間でね。皆さんお土産とか買いに行ってる私達もお土産と星璃さんにいつか貰ったカジキマグロ何処で買えるか知りたくてそして、ラーメン食べに来た。明日帰るから顔出して帰らないと君に怒られそうでな!」近藤は、醤油豚骨チャーシューを2枚買った。カウンターに座った。「醤油豚骨チャーシューいただきました。有り難うございます。」星璃がコールした。「近藤さん。アフタヌーンタイムでプラス100円で餃子がつきますが入りますか?」星璃が目の前に座る近藤に聞いた。「是非頂こう。」近藤が星璃の目を見た。「お義母さん、銀次さんに電話して、魚の在庫状況聞いてくれない?」星璃が聡子の目を見た。石山が餃子を焼いた。「あかりさん。カジキもマグロもイカもあるって勉強するから是非お越しくださいの事。」聡子が星璃の顔を見た。「ありがとう。」星璃が聡子の顔を見た。「在庫あるそうです。後で案内します。」星璃は近藤の顔を見た。「ラーメンあがりました。お待ちどうさま。」星璃は近藤夫妻の前にラーメンを出した。「これで星璃ラーメン食べ納めか?」近藤がボソッとつぶやいた。「あかりさん。この島最高でした。来て良かったですよ。」幸子さんが星璃の目を見て優しく微笑んだ。「それでは良かったです。また、機会を作って来てください。」星璃は幸子さんの目を見て優しく微笑んだ。「餃子あがりました。お待ちどうさま。」星璃が夫妻の前に出した。「その餃子、うちの菜園で採れた野菜使ってますから他とは違いますよ。美味しいです。どうぞお召し上がりください。もし、よかったら、酢と胡椒だけで食べてください。」星璃は夫妻の顔を見て優しく微笑んだ。「アッ!本当だ!美味しい。」幸子さんが星璃の顔を見た。「確かに美味い!」近藤も星璃の顔を見た。「あかりさん。澪さん。大変じゃない?毎日テレビに取り上げられて?取材だけでも凄い数こなしているわよ。アレじゃね。私も澪さんティシャツ欲しいけどなかなか買えないらしいじゃない?あかりさんなら手に入るかしら?」幸子さんが聞いて来た。「ティシャツですか?そんなのあるんだ?後で聞いてみます。あったら送ります。」星璃は幸子さんの目を見て優しく微笑んだ。「ご馳走様でした。」夫妻は合掌した。「食べ収めじゃな?星璃ラーメン。星璃さん、パチンコ近い内やらんか?」夫妻はこの後自宅で服毒自殺してしまう。近藤は、星璃の目を見た。「ご馳走様でした。」二人は店の外に出た。「有り難うございました。」石山と聡子が声をかけた。「近藤さん。魚見に行きましょう。車に乗って!」星璃は夫妻を車に乗せて漁協まで走った。漁協に着くと銀次が店を広げ待っていた。「いらっしゃいませ!若奥様おまちしておりました。」銀次が星璃の顔を見た。その後、近藤夫妻に銀次が魚の種類とか食べ方、料理の仕方など、くどくど話していた。「これとこれとこれください。」幸子さんが3、4点買った。「この魚サービスして、◯◯円でいかがでしょう。若奥様。」銀次が星璃の顔を見てニヤリ微笑んだ。「私が払うから付けといて!」星璃が銀次の目を見た。「はい!わかりました。」銀次は、保冷ボックスに魚を入れてくれた。「星璃さん。それはこまるわよ。」幸子さんが財布を出して困った顔で星璃を見た。銀次はお土産を星璃に渡した。「有り難うございました。」銀次は3人の顔を見た。「銀次さん、有り難う。店に遊び来てなあ!」星璃は手を振った。3人は車に乗った。近藤夫妻をホテルまで送り届けた。「あかりさん。今日は有り難う。お土産までもらっちゃて!すいません。」幸子さんが星璃の目を見て頭を下げた。「あかりさん、有り難う。また。明日11時出発だ!」近藤は星璃の顔を見た。「うん。わかってる。見送りに行く。」星璃は夫妻の顔を見て笑顔で手を振った。「あなた、あかりさん、抱かなくていいの?私に遠慮はいらないわ。もう最後なのよ。今晩、ホテルに呼びなさい。くいが残るわよ。」幸子さんが旦那の困った顔を見た。伊佐夫の目に涙が光って流れた。「あなた、人生最後に一番良い女と出会ったね。私じゃなかったんだよ。」幸子さんは、伊佐夫の顔を見てもらい泣きをした。伊佐夫は無言で星璃の車を見送った。心の中でまた明日会えるさ!伊佐夫は涙を拭いた。二人はホテルへ入った。星璃はお店に帰った。花屋が来ていた。残りの5本を飾って行った。「今回は思いがけない注文有り難うございました。縁起わるいですが葬式が3日続いた感じですよ。」花屋の主人はホクホク顔で星璃を見た。「ラーメン食べて来なよ。サービスすっから!」星璃が花屋を引き止めた。「この愛のお葬式で参列者の方がココのラーメンは美味しいって褒めていたんですよ。」花屋の主人が星璃の顔を見た。「今日は金要らないから花屋さんもうちの風潮してください。」星璃の狙いは当たった。「この間、塩谷電気のオヤジも美味いっつ言ってたっけ!」花屋は星璃を見た。「花屋さん、ラーメン何にしますか?」星璃は花屋の顔を見た。ひょっとこみたいな顔をしていた。笑いをこらえた。「醤油豚骨チャーシューがいいな!」花屋は星璃の顔を見た。「醤油豚骨チャーシュー1丁有り難うございます。少々お待ちを。お目が高い、うちで一番人気なんですよ。」星璃はひょっとこの顔を見た。祭り囃子で踊っているイメージが強すぎた。花屋さん、お面なしでもいけんじゃねぇと考えてラーメンを作った。「へい!ラーメン1丁あがり!おまたせいたしました。」星璃は花屋の前をラーメンを出した。「お!美味そうだ!」花屋はラーメンをすすった。「噂どおり、美味い!」花屋は舌鼓をうった。花屋はペロリと完食した。「ご馳走様でした。美味かった。」合掌した。「有り難うございました。」星璃は花屋の顔を見て急に微笑みを浮かべた。「ご馳走様でした。お代は?」花屋は星璃の顔を見た。「いらない!またな!花カゴのカゴは取りに来るんだろ?」星璃は、花屋の顔を見た。「とりに来る一週間後。ご馳走様でした。」花屋は軽トラに乗って帰って行った。すぐに男性の客が入って来た。「いらっしゃいませ。今、アフタヌーンタイムでラーメンの値段プラス100円で餃子がつきますがお得なのでオススメします。」星璃は、見たことない顔だったので説明を加えた。石山はチャーシューの仕込みをいつものようにやっていた。肉に紐をグルグル巻いて継ぎ足しの寸胴に入れていた。これは石山の仕事だった。お義母さんは、菜園から野菜を採ってきて、みじん切りにしていた。「醤油豚骨チャーシュー1丁いただきました。有り難うございます。少々お待ちください。」星璃はお客の顔を見た、お客は立ち上がって名刺を星璃に差し出した。「私、タクシーの三枝さんの紹介で参りました。下田広告の下田と申します。」下田は星璃の顔を見た。「話はラーメン食ってから聞くから。」星璃は下田の目を見て言葉を制止した。「ラーメン1丁あがりました。有り難うございます。お待たせいたしました、ごゆっくりどうぞ。」星璃は下田の前にラーメンを出した。下田はラーメンをすすった。「ご馳走様でした。美味しかったです。」下田は合掌した。「こちらへどうぞ。」星璃はテーブル席に案内した。二人は対面で座った。「広告の話ですが、「縦1メートル50センチ横60センチになります。このようになります。参考までにこの写真と同方です。色んな色、フォントも自由です。今、良い場所が空いております。フェリー乗り場の交差点のこちらです、一月一万円です。いかがでしょうか?」下田は写真を見せながら説明した。「お義母さん、石山さんこっち来て、ここにうちのカンバンどう?」星璃は二人の反応を見た。「あそこの交差点ね、悪くないわ。」お義母さんが星璃の顔を見た。「一月一万円だって!」星璃が二人の顔を見た、あまり乗る気じゃなかった。「おいくらくらいなら?」下田は早速値段交渉に出て来た。さぞかし、広告を取りたいのだろうと察した。「どれくらいならいいの?」星璃の交渉が始まった。「うちは七千円が限界かな?」星璃はいきなり30%引きに入った。50%まで行けそうな気がした。「50%引きの五千円で手を打っていただけませをか?お願いします。」下田は頭を下げた。星璃はわかっていた。地主に幾ら払うかで後はもうけだから500円ても行けるだろうと踏んでた。それでは商売にならないから泣ける所で手をうった。「それで良いですか?下田さん。一月五千円でサインしましょう。後、今後、良い場所でたら教えて。協力すっから。」星璃は下田と握手を交わした。カンバン出来次第持って来ます。「ご馳走様でした。有り難うございました。」下田は頭を下げ店を出て行った。星璃は、また、澪に電話した。「澪、私、あかり、まだ、ティシャツって買えるのか?あるなら2枚送ってくれ!住所は神奈川県港北区新横浜◯◯町◯番、近藤幸子で頼む!」星璃が言うと「お姉ちゃん。ティシャツ、在庫ないよ。私も持ってないんだから、近藤さんの願いか!叶えてさしあげよう!お姉ちゃん。県庁の倉庫あら捜しするからたぶんあるよ。期待して、倉庫の中ぐちゃぐちゃだから皆探さないからきっとある。明日また現場に出る熊の目撃情報出たから。」澪は、星璃に約束は出来なかった。次の日、近藤夫妻を迎にホテルへと出向いた。ホテルのロビーにいるとエレベーターで夫妻が降りて来たのが見えた。近寄り、「おはようございます。お迎えに来ました。昨晩は眠れましたか?」星璃は二人の顔を見て微笑んだ。「良く眠れた」と近藤は嘘をついた。眠れなくて明け方まで起きていたらしい。幸子さんの後日談でわかった。星璃は二人の荷物を持って車へと向かった。駐車場に停めてあった。後部座席を自動で開けた。星璃は荷物をトランクに入れて、後部座席をチェックし運転席側に乗った。埠頭までの短い距離で澪の話をした。今日も熊退治に行っている事などを話した。大した妹だと言った。ティシャツはないけど探してあったら送る約束をした事をつげた。車を埠頭の駐車場に入れて、星璃が荷物を持って歩いた。二人とのお別れが近づくにつれ、別れるのが辛くなって来た星璃は泣き出し、二人を困らせた。もう、二度と会えない予感がしたのだった、パパとママと別れた時と同じ感覚に苛まれていた。あの時はママが「お姉ちゃんは泣いちゃ駄目」と叱られた。妹達の前で大泣きしたのを思い出していた。この鋭い感が当たってしまう。星璃は二人とハグをした。流れる涙は止まらなかった。近藤夫妻ももらい泣きをしていた。涙、涙のお別れになってしまった。係員に早く乗るように促され二人はタラップを上がっていった。星璃は荷物を渡すのを忘れタラップを上がって行った。二人に荷物をわたした。「さようなら、お元気で!」ここまでしか声にならなかった。星璃はタラップを降りて船を見送った。船が小さくなるまで手を振った。涙を手で吹いて車に乗り込んだ。涙で前が見づらい。ティシュで涙を拭いた。




