第六十二章 くのいち四姉妹 内部闘争の渦の中で
近藤局長には、手のうちようがなくなっていた。増税派と減税派の争いが財務省で始まってしまったからである。30代、40代の若手が減税に反対の反旗をあげたのが始まりだった。財務省内部では増税を勝ちとらないと出世出来ないからである。星璃達もその渦の中に飲み込まれて行く。まず、増税派の官房長一派の波をおしもどさなければならなかった。近藤局長は、部長以下課長、課長補佐以下一般職の人材を取り込んだ。大臣、副大臣、政務官の殺害を星璃に依頼した。完全に実力行使に出た。内閣、警視庁、公調、内調も味方に取り入れた。手筈を整えた。まず、近藤派の血が流れた、課長補佐が、通勤途中、輩に襲われ重症を負った。次は減税派の部長が半グレの輩に撃たれ死亡した。近藤の元に批判が舞い込み始めた。求心力を失いかけていた。その時、星璃の電話が鳴った。「一気に勝負に出るから官房長をいきなり殺ってくれ」近藤は星璃達の周辺に気をつけるよう助言をし殺害の依頼をした。星璃の島への帰還がなくなった。「あかりさん。我々しばらく会わないほうがいい。今回は危険すぎる。君も気をつけてくれ!」近藤は少し緊張していた。自分の命も危ない状況だった。官房長を殺ったら向こうも黙っちゃいない。そんなもんわかっていた。四姉妹は官房長の動きを良く観察して毎日、べったり、誰かが貼付いていた。2週間で結果が出た。毎日通る道がある必ず同じ時間にそこを狙撃する。作戦に出る為、本日、最後の下見で狙撃場所近くのビルに登った。星璃と澪と小春と純麗はお腹にグロッグG19を忍ばせていた。ビルの上から澪がスコープで下を除くと屈強な男達が何人か立っていた。公安の職員だった。小春の彼氏の山南もいた。私達を守ってくれているんだと思った。心強かった。5分くらいで切り上げ、次の駅前のスタバに入った。公安の人達も誘った。皆、フラペチーノを頼んだ。季節限定のフラペチーノを8つ頼んだ。会計は星璃もちだった。男達と女達、別れて座ったが山南と小春は二人きりになっていた。フラペチーノを口にする男達を見て澪が吹き出した。なんか漫画の世界に見えたらしい。ちょっと違和感かあるのに気づいた。皆笑い出した、店の中が賑やかになった。四人は話し合いその場所で決まった。「明日、やりますが公安の方の警護はいりません。目立ってしまうので私達だけでやります。お引き取りくたさい。」星璃がはっきり断わった。山南班長は、断わったがそれを小春が制した。腹からグロッグG19をチラリ見せた。「プロにまかせましょう。」山南が隊員の目を見た。そして、お開きになった。電車の中で公安の人達はボディガードになってくれていたがかえって目立った。星璃のマンションに戻った。山南だけ一緒について来た。小春が心配なのである。5人は明日の予定を話し合い、近藤へ明日結構の意志を伝えた。車の中の官房長を狙う。とだけ伝えた、夜が明けた。6時に起きて、シャワーを浴び山南がいるので下着姿で歩き回るのはやめてすぐに関東電気保安協会の制服を来た。トーストを人数分焼いてコーヒーを入れた。5人は「いただきます。」合掌してトーストを食べコーヒーを飲んだ。「ご馳走様でした。」合掌し、山南が部屋を出て行った。小春の車をとりに行った。官房長は毎日、10時30分にその場所を車で通る。それを狙う、澪がスナイパーライフルを構え床に寝ていた。時間通り官房長を乗せた黒塗りの車がスコープの中に入った。官房長の顔がハッキリ見えた。頭を狙ってトリガーを引いた。車が停まった。頭から血が飛び散るのを確認した。澪は手応えを感じた。澪がエレベーターで下に降りると4人の乗った車が待って居た。それに飛びのった。「成功しました。」澪が報告した。車は星璃のマンションへ帰還した。ミッション終了。そこへ山南に電話が入った。「官房長が撃たれたから大臣がアメリカのヒットマンを雇いました。そちらの4人は、別荘で保護します。本日中にそこを引き払い別荘へ移れ」公安からの連絡だった。「最悪の展開になってきやがった!ここまで血を血で洗う戦争になると局長も思わなかっただろう。ドロ沼だ。」山南が叫んだ。「こっちもウカウカしてられん。公安と内調のチカラ見せてやる。局長と家族は危ない。後君達も危ない。」山南は意気込んだ。「もう、局長が死ぬか大臣が死ぬまで続きますね。山南さん。」小春が山南の目を見た。「そうだな?君達が勝てばそこで終わるだろう?アメリカのスナイパーの顔写真手にいれなきゃな!」山南は皆の顔を見た。「山南さん、お願いします。」小春が山南の顔を見て微笑んだ。「君達は動くな、後は我々と内調で調べる。それでは別荘へ招待する、着替えと銃と銃弾を持ってくれ、食い物は向こうにシェフがいる。今、仲間が迎えに来る。」山南は、皆の顔を見た。「家に取りにかえれません。とちゅうでユニクロ寄ってください。」純麗が山南の顔を見た。星璃も準備は出来たがユニクロで買う選択をした。「コンビニもいいですか?お菓子とお酒。」星璃は山南の顔を見た。「それも揃っている。必要ない。」山南は星璃の顔を見た。「何か必要な時は家政婦が居るからたのめばいい。」山南は皆の顔を見た。「不自由なく暮らせる所だ。普段は、誰も住んでない、こういう緊急の場合だけ使う家だ。」山南は皆に説明した。山南のスマホが鳴った。「はい。わかった。下に迎えが来た。」山南は皆の顔を見た。「私も行く!」山南が先に降りて、下の様子を確認した。迎えに来たドライバーも外に出て周りを確認していた。全員車に乗った、「つけられてないか?」山南がドライバーに確認をとった。「はい!大丈夫です。皆手分けして、スナイパーをさがしています。隊長!空港の税関や埠頭、漁港など網をはりました。」ドライバーの隊員が報告した。「俺達は彼女達を守る。」山南はドライバーの横顔を見た。近藤からの連絡は一切なかった。盗聴のおそれがあるからだ。「近藤さん、大丈夫かな?」星璃が口にした。「大丈夫だ!ボスが殺られるわけにはいかん。相当数の護衛がついている。」山南は星璃の目を見てニヤリ笑った。「私達の誰か助っ人にいらないですか?」澪が山南の目を見た。「大丈夫だ!心配するな!」山南は澪の目を見て微笑んだ。「私達これまで誰かに助けられた事ないのでよくわからないんです。おわかり下さい。慎重になっております。身を委ねて良いものかと。」星璃は心情をトロした。「ユニクロ寄って下さい。」小春がドライバーの隊員に頼んだ。ハンドルを切ってユニクロの駐車場へ入った。4人は、まず、下着売り場へ直行した。手当たり次第カゴに突っ込んだ。続いてセットアップとスウェット、靴下などを1ヶ月分くらい買った。ジャマになるものではない。アウターも1枚買った。寒いと困るので「室内は温かいですよ。」山南が声をかけた。東京都内の一軒家だった。大きな門を入ってだいぶ走ると玄関前に着いた。ドライバーと山南は付けられてないか必死に確認していた。そんな様子はまったく感じなかった。屋敷の周りもグルグル周り確認していた。門の所にカメラがあるのに星璃は気づいた。玄関前にも2台あった。部屋に入ると監視カメラのモニターが沢山あった。コレだけカメラが付いていれば安全に間違いないと思った。奥から白いエプロンをつけた女性が出て来た。「いらっしゃいませ。私ココの家政婦の谷川と申します。宜しくお願い致します。なんなりとお申しつけください。至らない点もあるかと思いますが勘弁してください。」谷川は皆を見て優しく微笑んだ。「お昼お食べになりますか?そちらのメニューからどうぞ!」谷川は皆の顔を見て優しく微笑んだ。「カツカレーがいいな!」星璃が谷川の顔を見た。それで皆、カツカレーになった。お水とおしぼりが出て来た。暫くするとカレーの良い匂いが部屋中にして来た。「あちらがシェフの川越さんです。食事はすべて彼が作ります。超一流のシェフですよ。私も一緒にいただきます。宜しいでしょうか?」谷川は皆の顔を見た。「是非どうぞ!遠慮なく。」星璃は谷川の顔を見た。「有り難うございます。」谷川は皆の顔を見た。カレーが出来て皆の前に出て来た。谷川もテーブル席に座った。「いただきます。」合掌した。一口食べた瞬間、「うわあ!美味しい!」星璃が叫んだ。皆口を揃えて「美味しい」と声にした。「谷川さん。自己紹介まだでした。失礼いたしました。」星璃が谷川の目を見て優しく微笑んで頭を下げた。「いいのよ。知ってるわ。あなたが沢井あかりさん、あなたが山南さんの彼女の望月小春さん。こちらが小林純麗さん。こちらが望月澪さん。金メダリスト。ですよね。」谷川は一人一人の目を見て話した。「こちらが隊長の山南慎二さん。こちらが隊員の伊藤孝太郎さん。」谷川は二人の目を見た。「ご馳走様でした。」合唱した。星璃が食べ終わった。カレーを食べるのは相変わらず早かった。「山南さん、私達、いつまでここにいないといけないですか?一回島に戻りたいのですが、ラーメン屋まかしっぱなしで心配なんですが!」星璃は、山南の顔を見た。「そういう事情でしたら近藤さんと話してみていただくないでしょうか?」山南は、そう、提案した。星璃は近藤に嘆願して島に帰る許可をもらったが隆志に電話すると「そっちが大変なのは知ってる連日テレビでやってるから。こっちは問題ない。お前が詳しくレシピノート書いてくれたから。俺が漁休んで店まわしているから。お義母さんも石山さんも神野さんも頑張ってくれてる。大変なのはアッチの方が溜まっちまって。それだけ。日曜日だけ、バイト一人採用したから。柴田さんという女子高生。」隆志は頑張ってくれていた。大丈夫だと確信がもてたのでこっちに残る事にした。そんな中、山南の電話が鳴った。「課長の斎藤一郎が撃たれて死亡した。」という知らせだった。星璃の電話が鳴った。徳川からだった。「あかりさん。徳川です。君達にも迷惑かけてるな?ごめんよ。暴力団の抗争みたいになって来た。わしらOBが介入する。わしは、今まで30年増税してきた立場じゃが今は国民の生活安全の為減税路線を推奨する高山総理側につく。OB全員の相違だ。この抗争を経て良い日本を作る為、終わらせる。」徳川はチカラ強く決意を語った。




