ユキテンゲテイム大作戦
「飼い主殿のみんなー! 猛犬系ストリーマーの犬飼ちくわだよー!」
「おはよう人間! 化け猫ストリーマーの珠捏ねこまでーす!」
「どうも、モブです」
いつも通り恒例となってしまったコラボ配信にて、俺たちはユキテンゲの討伐を行う手はずになっていた。
『待ってました!』
『ねこまちゃんおはよー』
『今日はユキテンゲだっけ、なんで?』
「おはようおはよう――えっとね、今日ユキテンゲに挑む理由は、色々あるんだけど……今回の主役はボクたちじゃなくてモブ君なんだよね!」
ちくわがコメントに反応して、今回の目的を説明し始める。その内容は前回のミーティングでまとめた話と大差ない内容で、俺たちにとっても再確認の意味合いが強かった。
「――ということで、私達はこれから上位を目指すためにファフニール討伐を目指しまーす! 人間たちは応援よろしくぅ!」
『マジで!? ファフニール討伐が目標なの!?』
『ファフニールってストリーマーの中では討伐できる奴ほとんどいないのに、大丈夫なのか?』
『それにしてもモブにテイムさせる。なんてことを前提の目標にするのヤベェよ』
リスナーからの反応は様々だ。中でも「テイムをあてにしてええんか?」という反応は正直なところ、俺にもある。だが、東条君のためにも、映える形で討伐をするなら、ユキテンゲのテイムはマストと言える事だった。
「まま、ボクたちの配信を一杯見れるって事で! あとモブ君にも頑張ってもらわないとね!」
「あ、はい。頑張ります」
ちくわに水を向けられたので、俺は簡潔に答える。ここで「頑張るからよろしく!」とか言ってはいけないのは、重々承知している。そういうのは二人に任せるべきなのだ。
まあ普通ならテイムできるまでの耐久配信なんて、できるストリーマーはまずいないのだが、俺は半年でモビとマンダの二匹をテイムしている。この頻度であれば、可能性を感じるのもやむなしと言ったところだろう。
「それでぇー……ファフニールに挑むっていう事で、私達だけじゃ大変だから、助っ人を呼ばせてもらいました!」
『え?』
『助っ人?』
『誰だろ。深河プロで実力がありそうな人って』
ねこまがそう宣言すると、リスナーたちは困惑したように疑問符をコメント欄に流す。まあ確かにここまでずっと三人でやってきたしな。
「じゃ、入ってきてー!」
ねこまが促すと、その助っ人はドローンカメラの画角にさっと入ってくる。
「どうも、モブ二号です」
身の丈はある長大で重厚な大剣を背中に担ぎ、新型の仮面型デバイスをつけた東条君――いや、モブ二号は普段の堂々としたたたずまいからは想像できないほど、あっさりと自己紹介をした。
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