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グイグイ来る

「はぁ、はぁ……と、とにかく……無理だから」


 東野くんのエスプレッソと、俺のアイスティーがテーブルに乗せられてからも、かれこれ十分くらいは格闘しただろうか。ようやく東野くんは力ずくで見ようとするのを諦めてくれた。


「普通に気になるなぁ。というか先輩、なんでそんなに隠してるんだ?」

「理由話したら内容話すのと同義になっちゃうから、ちょっと言えないかな……」


 観られたらまずいスキルを持っている。なんて言おうものならまた攻防が始まりそうである。それだけは絶対に避けなければならない。


「へー、なんだよそれ、めっちゃ気になるじゃん」

「あはは……でも東野くんも自分の秘密探られるのいやでしょ。あんまり追及しないでもらえるとありがたいかな……」


 何とか躱すためにそんな事を言ってみる。


「うーんまあ確かに……でも気になるな……」


 この論法は有効だったようで、東野くんはちょっと考える素振りをしつつ、注文して届いたエスプレッソに口をつけた。


 その姿はどうにも様になっていて、アングルを整えればファッション誌の表紙を飾れそうな完璧さだ。さすがはカリスマダンジョンストリーマー、指先にまで意識が行き届いている。


 どうやったらここまで完璧な所作を身につけられるかなあ。とか思っていると、東野くんは良い事を思いついた。とでも言いたげにある提案をしてきた。


「そうだな……じゃあ明日一緒にダンジョン潜ろうぜ、スキルが分かんなくても動き見れば大体の腕前は分かるし」

「あ、うん、それくらいなら――」


 反射的にそう答えて、答えた内容を頭で咀嚼して我に返る。


「いっ!? いやいや、東野くんにそんなこと頼めないよ!」

「なんだよ、遠慮すんなって、それとも俺じゃ信用できないってか?」

「そ、そういう訳じゃないけど……」


 正体を隠したうえで一緒にダンジョンに入るとなると、色々と不便が発生する。まず第一に、仮面型のデバイスが使えない。慣れ親しんだUIが使えないとなると、またあの識別票を片手に探索する羽目になる。それだけは避けなければならない。


 次に、東野くんが相手の時だからというのもあるが、モブとバレるわけにいかないので、今まで通りの戦い方をするわけにはいかない。つまり、散々上げた槍や回避のマスタリーを気兼ねなく発揮できないのだ。


 そして、これが一番厄介なのだが、モビとマンダを外に出せない。今まで彼らに頼る部分が多かったので、これは何をするにしてもかなり大変だと思う。


「とにかく、一緒に行くのは――」

「まーまー、いいっしょ、大丈夫だって俺が一緒にいるんだからさ!」


 自信に満ち溢れた顔で東条君は笑みをこぼす。どうやってもこれは断れそうになかった。


――読者の方へおねがいとお知らせ


 お読みいただきありがとうございました。現在私は「ビヨンド・ジ・エンド」というSF作品でカクヨムコンに参加しています。カクヨムコンは異世界ファンタジーや現代ファンタジー、異世界恋愛が強い状況で、その中で戦っていくためには皆様の助力が必要不可欠です。


 もしよろしければ、「ビヨンド・ジ・エンド」作品ページにある+☆☆☆の+を押して★★★にしていただけるとありがたいです。


 では、よろしくお願いします

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