深夜の通話会議
「ファンって……東条さんそういう感じのキャラだっけ?」
「いや俺もそれは思ったんだよ、でも割と本当にファンっぽくて」
愛理の困惑した物言いに、俺も状況が呑み込めなかった事を伝える。誰が誰のファンでも自由だと思うんだが、今まで見ていた東条匠馬のイメージとしては随分遠い印象だった。
だってほら、東条匠馬ってクールキャラで、男性向け化粧品のCMとかにも出てたし、活動休止して発売中止にはなったけどカバーアルバムのオファーとかもあるようなストリーマーだ。そんな人がよくわかんないテイマーの人間のファンだなんて、想像もできない。
「うーん、ウェブスタープロジェクトが他社からストリーマー引き抜いて来るっていうのはそれなりにあることだから、唾つけに来たって事も……でも、東条さんは優斗さんの正体知らないんだよね?」
紬ちゃんの問いかけに、俺は頷く。
「ウェブスタープロジェクト、結構大きいとはいえ、深河プロダクションに喧嘩を売るとは思えないし……本当にファンなのかも」
ウェブスタープロジェクト……確か東条くんの動画をいくつか漁る中で、所属事務所の事もいくつか情報として入ってきていた気がする。
なんでも、テレビ関係のタレント事務所から派生した子会社で、ネットを中心に活動するタレントを集めている会社……だったかな? 設立自体はそこまで歴史がある訳じゃないけど、テレビ関係のノウハウを駆使したプロデュースで、有名なストリーマーを数多く所属させていたはずだ。
「で、優斗的にはファンが増えてどうなの?」
話を聞いて、剣呑な雰囲気ではないと察した愛理が、からかうように聞いて来る。
「うん、正直困ってるっていうのが一番かな……」
なんだかんだ、俺の周囲にはインフルエンサーがめっちゃ多い。それがアシスタントとかそういう仕事しているのなら全然かまわないんだけど、どうも周囲の反応を見ると俺自身もインフルエンサーである。東条くんの考えと同じで、目立ちすぎて暮らしにくさが出てくるのは避けたかった。
「もうちょっと穏やかに暮らしたいんだけどなぁ……」
「あはは、この業界に誘っちゃったボクとしては、それは申し訳ないと思ってる」
「いやいや、全然後悔はしてないんだ」
愛理が申し訳なさそうに言ったので、俺は慌てて否定する。この活動を始めて、生活環境は確実に上向いているのだ。なんせバイトよりも儲かるし、自由時間も多い。
「ただ、みんな結構ギラギラしてるから、胃もたれ起こしそうっていうか」
「あー……」
わかる。という感じの声が二人から聞こえてくる。
「……何にしても、どうやっても東条さんと関わるのは避けられないだろうし、ちょっと自分から行ってみたらどうかな?」
少しの沈黙の後、紬ちゃんがそんな事を言った。
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