配信終わり
『え、モブ魔法使うの?』
『でも免許って結構難しくなかったっけ?』
『ある程度の活動実績とスキル取得状況があればいくつか試験免除はされるみたいだよ』
俺がその話をした瞬間、一気にコメントが流れる。なんだ? なんか変な事言ったか?
「モブさん本気ー? 私免許取るとき大変だったんだけど」
「あ、でも魔法使える人がちくわちゃん以外にも居るといいかもね、モブ君槍だし中衛とか遊撃用に魔法覚えるのはアリだよ」
なんか話の感じからして、結構難しいような雰囲気を感じる。なんだろうごまかそうとして墓穴を掘ったような……
「いや、でも……無理そうなら諦めるかなって思ってるし、確定してない事だから言いにくかったっていうか」
「大丈夫大丈夫、私も教えたり教本貸してあげるから!」
何とか無かったことにしようとしたところで、ねこまに退路を塞がれる。
『裏作業に加えて勉強配信待ってます!』
『前衛ちくわ、後衛ねこまで安定してたもんな、モブが色々足りない部分を補えるようになれば、結構幅広がりそうじゃん』
『頑張れモブ! 俺も次の試験受けるからな!』
ねこまに退路を塞がれ、コメントにとどめを刺される。もう「やっぱナシ!」は出来そうになかった。
……も、もう勉強するしかないか。俺は覚悟を決めた。
配信が終わったところで、三人で反省会をすることにする。勿論通話アプリで。
「ごめーん優斗さん。でも優斗さんが魔法を使えると一段階強いボスも倒せるようになるんだよ!」
「いや、いいよ……俺も直近の目標がない状態だったし、ごまかし方も下手だったしな」
「そういえば優斗さん。最近あった言いにくい事って何なの?」
紬ちゃんから聞かれたので、俺はそのことを話す。
「なにっていうか……バイト先に東条匠馬が働き始めた」
「ええっ!?」
「なにそれ!?」
俺の言葉に、二人は声を上げる。
「いや、俺も驚いてるんだよ」
「何か言われた?」
「モブの正体誰って聞かれた」
愛理の質問に答えると、マイク越しに二人がずっこけるのを感じる。
「前も言った気がするんだけど、優斗さんのバイト先って鈍い人多くないですか?」
「うん、俺もそう思う」
なにせ仮面をかぶっているかどうかでしか違いが無いのだ。ボイチェンも使っていない。さすがに何でバレないのか不安になるレベルだった。
「でも、なんで東条さんは優斗の正体を知りたがったんだろ?」
「ああ、それは……なんか、モブのファンっぽかった」
俺が答えると、再びマイクの向こうでずっこける音が聞こえた。
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