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強火オタク

「え、ちょ、ちょっと待ってって……どういう話の流れなのか全然分からないんだけど」


 話の流れからして、東野君は「目立つのが嫌なタイプ」で、俺と同じように静かに暮らしたいと思ってる側の人間だった。


 その彼がモブの正体を聞こうとしているのに違和感があったし、俺がモブだと気づいていないっぽいのも驚きだった。


「え、だってお前、犬飼ちくわの幼馴染なんだろ。当然モブの正体も知ってるだろって思ったんだけど」

「いや、まあ……事務所的にたとえ知ってても言えないし、そもそも――」


 使い古された言い訳で躱そうとするが、彼はそれでも食い下がって来そうなので言葉を続ける。


「モブって正体知られたくないみたいだし、東野君と同じように静かに暮らしたいんじゃないかな……?」


 そう言いながら俺はコーヒーを啜る。できればこれで引き下がってくれるとありがたいんだが。


「ん、確かにそうだな」

「でしょ? だったら――」

「いや、でもさぁ、あんなすげえ奴、誰だって知りたいと思うぜ?」


 何とか諦めさせようと思ったが、彼の熱意はたやすく俺のやんわりとした制止を振り切ってきた。


「そ、そんなにすごいかな……」

「当り前だろ。テイマーっていう明らかにストリーマー向けの存在になれたのに、ストイックにダンジョン潜って地味な作業をコツコツする姿勢とか、自分を褒めるリスナー相手でもモラルに反したことは注意する意志のはっきりしたところとか、挙句最近はちくわとねこまに引っ張られる形だが、しっかりダンジョンハッカーとしての実績を重ね始めてるところとか!」


 俺が懐疑的な返答をすると、東野君は早口でまくし立ててきた。ど、どうやらファンの中でも結構強火な方らしい。


「そうなんだ……」


 正直なところ、嬉しくないわけではない。他人が、しかも実績のあるインフルエンサーが自分の事を褒めてくれているのだから、それは当然だ。


 だがしかし、その言葉が全て身の丈に会っていない評価だとしたらどうだろう。嬉しさよりも、不安の方が勝つのではないだろうか。俺が今思っているのは、まさにそれである。


「とにかくめっちゃクールだよな、人気になろうとどこ吹く風って感じだし」

「いや、それはただ単に良い反応を返せないからで――」

「正直、モブと一緒に動画撮れるなら復帰してもいいくらい考えてるわ」


 東野君はそう言った直後「あ、でも事務所ちがうか……社長もライバル社とのコラボは嫌いそうだし……」と一人で悩み始める。俺はそれに対してどう反応すればわからなかったので、ほとんど空になるまでコーヒーをちびちびと飲み続けて聞き役に徹することにした。

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