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やっぱりトップストリーマーはすごい

日刊ローファン22位ありがとうございます

「あっ! モブ君にちくわちゃん! こっちこっち!」


 待ち合わせ場所である深河プロダクションのエントランスを抜けると、猫耳フードを被った少女、珠捏ねこまが手を振って歓迎してくれた。


「あんまり人がいるところでモブって呼ばないでほしいんだけど……」


 目立ちたいか目立ちたくないかで言えば、目立ってちやほやされたい願望はあるが、愛理の徹底的な炎上回避生活を見ていると、有名になる事への抵抗が無いわけではなかった。


「えー、良いじゃん。目立って行こうよ」


 というか、前に会った時とずいぶん雰囲気が違うな、こんなに愛想振りまくタイプだったか?


「あの、優斗はいちおう一般の人だから……」

「ふーん。じゃあ私も優斗って呼んだほうが良いかな?」

「それは……」


 なんだか、いつもと違ってちくわは煮え切らない態度だ。彼女に何か弱みでも握られているんだろうか? この間よろしくしてやってくれってお願いしたんだがなぁ。


「はいはい、こんなところで話してたら目立つでしょ。会議室に行きましょ?」


 二人のどこか不穏な空気を壊したのは、ねこまのマネージャーだった。


「そ、そうですね! 優斗、行こ!」

「ああ、分かった」


 エントランスからエレベーターに乗り、会議室へと向かう。そこはスモークガラスで仕切られた部屋がいくつかあるフロアで、ちらほらとその中に人が入っていることがうかがえた。


「ここを使いましょう」


 マネージャーさんはその中から一つを選んで扉を開けて、俺達三人をその中へ促す。


 各々が椅子に座り、最後にマネージャーさんがノートPCを開いたところで打ち合わせが始まった。


「よろしくお願いします。珠捏ねこまのマネージャー・柴口です」

「あ、どうも……えっと、犬飼ちくわのアシスタント・モブこと篠崎です」


 彼女の自己紹介に合わせて、なんとなく横文字を使ってみる。その答えを聞いて、柴口さんは口元を緩めて「よろしくね」と言ってくれた。


「それで、確認なんだけど、テイムモンスターを見せて貰えるかしら」

「あ、はい」


 俺は識別票のロックを外して柴口さんに渡そうとする。


「あら、この場で出してくれないの?」

「えっと、出せないようにロックがかかってるんで」


 以前出そうとした時は、ダンジョン以外では出せないようになっていたはずだ。


「……あっ」


 識別票を受け取って、内容を見ている柴口さんが不意に声を漏らした。


「なるほどね、テイムモンスターの取り扱い講習を受けていないからダンジョン外でロックが掛かってるのよ」

「え」


 そんなものがあるのか、魔法に引き続き、ダンジョンは講習ばっかりだな。


「えぇー、ちくわちゃんそれくらいは教えてあげなよー」


 柴口さんの言葉を受けてねこまが非難するような声を上げる。ちくわは申し訳なさそうにこちらを見て「ごめん、忘れてた」と小さく言った。


「まあまあ、講習自体はすぐ終わるし――うん本当にテイムしてあるね」


 柴口さん曰く、講習はネットでも視聴出来て、視聴後の簡単なテストに合格すればダンジョン外でも出せるようになるらしい。さすがに他人に危害を加えることはできないが、ペット代わりとして呼び出す事は出来るらしい。


「えっと、もしかして、なんですけど……ゾハルエネルギーの取り扱い免許とかも……」

「そっちも一応できるけど、講習会に参加したほうがテストは簡単になるよ」


 もしかして、すごい魔法をドカーンみたいなのを出来るようになるかと思ったが、現実はそう甘くないらしい。今度の休みを利用して講習受けてみようかな。


「それで、一応ステータスも確認させてもらうけど――」


 識別票タブレットを操作している柴口さんの手が不意に止まる。何かマズい事が書いてあるのだろうか?


「テイミング適性……?」


 何か変だろうか、そのステータスは、恐らくモビをテイムした時についてきたもののはずだ。


「何か変ですか?」

「いえ、ちょっと見たことないスキルだったので……はい、ありがとうございます」


 識別票を返してもらったので、ポケットにしまう。あとでテイムモンスター取り扱い講習は受けておこう。


「それじゃあ、コラボ配信の段取りについて話し合っていきましょう」


 その言葉で、ミーティングが始まった。


「えっと、私的には移籍後初配信、初コラボ、ゲストにテイマー。っていうのが今回の目玉だと思うんだけどぉ、段取りの提案をすると――」


 ねこまは意外にも、ミーティングでは真面目にしていた。いや、真面目というよりも、これが素なのだろうか? 何にしても、深河プロ所属ストリーマーのトップとしてふさわしいセンスと思考力だった。


「うん、ボクも基本的にはそれで行こうと思ってた。ただ炎上する可能性を考慮して、こっちの方が――」


 そして、ちくわはいつも通り、先程までの煮え切らない、歯切れの悪い態度からは一転して、ねこまと二人でより良い配信にするための意見を交わしていく。


「えぇーでも、それじゃあリスナー納得しないよぉ」

「ちょっといいかしら、そうなると事務所としては――」


 二人の意見が割れそうになった時は、マネージャーの柴口さんがビジネス・法務関連の事実を基に修正案を提示する。これなら間違いなく、良い配信になるだろう。


「――って言う事なんだけど、モブ君はそれでいい?」


 話がまとまったところで、ちくわが俺に水を向ける。


「あ、はい」


 専門家が三人も話していることに口を挟めるわけもなく、俺はただ頷いた。

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