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勇者の記憶と力を封印された少年、「神に造られし者」の孤児に転生し悪人と再対決する  作者: 元々島の人


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ビスコ再登場 マークレイの親

 一行は一日城下町を歩き買物し、城でなく宿に泊まった。

 何故かと言うと、デュプス王が「戦いばかりだったから一日遊んで来なさい」と言う事だったからだ。

 翌日宿員が伝えに来た。


「お客様がお見えになっています」

「え?」


 皆の戸惑いの中その人物は現れた。

「ビスコ!」


 クラビは喜んだ。

「無事だったのか」


 ビスコは軽く微笑んだ。

「ああ、何とか」

 少し疲れた感じだった。


「また会えて良かった」

 しかしクラビは喜んでいたが、当然先日の件があったボジャックやジェイニーは戸惑いを隠せない。

 秘密を半分知っているマリーディア、また初対面のマークレイ、ミッシェル達も戸惑った。


 ビスコは謝った。

「この前はいなくなってすまなかった。今度こそ、俺を仲間に加えてくれ」

「分かった」


 クラビはオーケーした。

 しかし彼はボジャック達がどうも浮かないのを気が付かなかった。


 そしてその雰囲気を引き釣りながらも一行は食事に行った。

 しかし、今回はビスコは話があると言わなかった。


 ビスコは少し疲れている表情で前のような軽口は叩かなかった。

 しかし、ボジャックやジェイニーは重くるしい。


 クラビは言った。

「マークレイ達にビスコの事紹介しておくよ」

「宜しく」


 そして一晩泊まる時の夕食後、ビスコはマークレイに声をかけた。

「マークレイ、だったよね。ちょっとだけ話があるんだけどいいかな」

「え?」


 やはりマークレイは戸惑いを隠せない。

 そこは裏庭だった。


 マークレイはまだ戸惑っていた。

 ビスコは何歩か歩き、切り出した。


「マークレイ、あんたの親に会わせてやろうと思ってさ」

「え⁉」


「あんたを捨てた親の事」

「何言ってるんだ。伯爵のバファーの事か? 最近会ってないけどさ。いやそんな事より何で君がそんな事を言ったり知ってたりするんだ?」


「実は俺は元サブラアイム軍だけど、アンドレイは皆の事をよく調べていたんだ。出生とか過去とか。で、あんたの情報も聞かせてくれた。あんた『父さんと母さんは経済難でお前を育てられない』って置き手紙を置かれたんだよな」


「あ、ああ、そんな事まで」

「その置き手紙を残したのはあんたを育てた貴族バファーじゃない。産んだ親が別にいるんだ」

「え?」


「その人達は本当に経済難であんたを捨てた。でその後知人のバファーにあんたを託したんだ。そしてその人達は今あんたに会いたがってる。アンドレイは噓つきの策謀家だけど、情報はすごく正確で正しい。そこは確かだ。であんたがすごく不憫になって」


 マークレイの頭にこれまで親の事を考え続けていた映像が去来した。

「アンドレイの情報とは言えそんな事初めて知った。何か信じたいような信じたくないような。でも正直少し知りたい」

「今、連れて来てるよ」


「え?」

 草陰からかなり老けた疲れた感じの四十四歳位の夫婦が来た。


「あ、あれが俺の生みの親……」

 あれが初めて見る、本当の俺の親。


「調べたアンドレイはあんたの親を利用してあんたに近づくか人質にしてサブラアイム軍に入れさせようとしてたんだ」

「何だって」

 

 そこへ兵が現れた。

「この二人と会いたければ、サブラアイム軍に入ってもらう」

「な⁉」


「クラビの敵になるかもしれないが、会いたかった親と暮らせるんだぞ」

「クラビを裏切る? お前もそうだったのか?」


「そうだな」

「⁉」


「でもこの二人は本当に本物だ」

「しかし、いくら親の為とは言え仲間を裏切れる訳ないだろ」


「あんた、そんなにクラビと仲いいの?」

「何?」

「いろんな事で彼に僻みを持ってるって聞いた。アンドレイ様は良く調べてるぜ。それに仲間って親より大事か? 普通親を選ぶだろ」


「……!」

 今初めて明かされた事実。


 で、でもクラビ達を裏切るなんて。

 それに俺は二度と悪い道に行かないって誓ったんだ。


 マリーディアは隠れて見ていたが草むらから出ようとした。

 その時

「おやおや、のぞき見かなお嬢さん」

「!」


 マリーディアは発見した兵に腹を殴られ気絶してしまった。

 マークレイはマリーディアに気付いていない。 


 ビスコは畳みかける。

「さあ、どうする?」

 


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