マークレイの回想二
7月15日改稿しました。
「ぐあああ‼」
炎に包まれ、マークレイはこれまでの事を思い出していた。
回想に入る。
マークレイは孤児院でも目立つ存在で自分に自信もある為よく積極的にマリーディアに話しかけた。
確かにマリーディアは楽しそうだった。
しかし、彼女は良い意味でも悪い意味でも誰にでも愛想よく接する。
自分に気があるのでは、と勘違いしそうなほどに。
他の少年はマリーディアと話せるだけで楽しかった。
「今日マリーディアと結構話せたよ。凄く楽しそうだった。このまま仲良くなれば付き合えるかも」
等良く言っている。
最も多く話すのがマークレイだった。
勿論彼女と仲良くなりたい為彼女が喜びそうな話題を選ぶ。
しかし敏感なマークレイはどこか気づいていた。マリーディアはどこか上辺だけで自分に気はないのではないかと。
何故なのか、かなり苦悩した。
自信があるからこそ今一つ理由が分からなかった。
そしてクラビはずっと話す事は少ないが、マリーディアは他の人に見せない笑顔をクラビの前ではする。
それにマークレイは気づいていた。
認めたくない嫉妬が生まれていたのを。かつて親友の誓いをしたクラビと。
それとどこか「自分にないもの」を持っているクラビにマリーディアは惹かれている感じだった。
それも何なのか今一つ分からなかった。
内心で思った。
俺は皆のリーダーだ。クラビより何が劣ってるって言うんだ。
認めたくない嫉妬。
友情が否定される。
そして孤児院卒業後、見つかった貴族の親の元には行かず炭鉱の仕事をした。
しかし体力のある彼でも厳しく退職し、それから農民になった。
しかしサブラアイムの貴族の大きな年貢に苦しみ、生活は苦しかった。
俺のやるべき事は何なのだろう。
そんな時彼の元に神と女神が降臨した。
クラビの元に行った女神ではなく違う担当員で神はその上司だった。
「生活が苦しい様ね。このブレスレットをあげるわ。そうすれば狩りをして副業になるしレベルも上げられる」
「嬉しい、ありがとうございます」
しかし神が釘を刺した。
「実はこの道具は全く邪心のない者や罪のない者に渡している。君は今は真面目だが、過去に結構悪い事をしたね」
「はい」
「だからこれからは罪を消す為、それを自分の為だけでなく世の為にも使う様にするんだ」
と言いアンドレイ王の事を話した。
そしてマークレイは思った。
「力を溜め、いつかアンドレイを倒して見せる」
そんな時クラビの事を考えた。
するとマリーディアの事で認めたくない嫉妬心が生まれた。
「駄目だ! こんな気持ちは捨てなければ」
そして天性の戦いの才能もありマークレイはめきめき力を付けた。
クラビが旅立ってから、仲間であることを調べたサブラアイム軍が現れた。
「何だ?」
「我々の仲間になり勇者を騙して欲しい」
何と変装したアンドレイが自ら出て来た。
「まさか! 偽物だろう」
「本物だよ」
と言うと凄まじい威圧感を発した。
「ぐぐ!」
そして悪魔の姿を見せた。
「従わないならここで殺す」
「う、ぐぐ、殺されたって良い」
「ふん、では君の親を殺そうか」
「ぐっ」
「また来るよ」
アンドレイがさって思った。
「親を人質に取られたら流石に駄目かも知れない。でも俺はそれ以上にアンドレイに凄まじい恐怖を抱いている。それに負けてしまいそうだ」
以前「俺はクラビの敵に回るかも知れない」と言ったのはそう言う事だったのだ。
回想を終わる。
しかしマークレイは今度は現状を憂いた。
俺はリーダーだった頃が楽しかったんだ。
今はもうこの年じゃはじけられない。
皆を守ろうと思ったし、強いからこそそうしなきゃと思った。
でも、そう思われたかっただけなのかも知れない。
俺はリーダーをアイデンティティーにしていたんだ。
そして今は実質リーダーになったクラビに嫉妬してる。
マリーディアの事だけじゃく。
俺は卑称な人間だな。
そして弱い。
見せかけのリーダーさ。
一方、いてもたってもいられないジェイニーは氷魔法でマークレイを救おうとした。
「はあ!」
しかし、イアンの火の方が強く消えない。
イアンは手を止めた。
「一対一の戦いに水を差さないでもらおうか」
と言ったイアンは突如催涙ガスを捲いた。
「ぐあ!」
イアンはマスクを着け、マリーディアを捕まえようとした。
「うっ!」
「さあ、行こう」
拒絶するマリーディアをクラビが救った。
しかしクラビは意外な事を言った。
「あんたこのままじゃ体を破壊されて死ぬぞ」
「何? 意味が分からん」
と言いクラビを吹き飛ばした。
しかしマークレイは立ちはだかりイアンを殴った。
「今度は殴り合いか、ふん」
しかしゼネイルはマークレイを羽交い絞めにした。
そこからイアンは何発もマークレイを殴る。
「よせ!」
クラビは止めようとした。
しかし突如イアンの体に激痛が走った。
今日6時頃更新します。




