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勇者の記憶と力を封印された少年、「神に造られし者」の孤児に転生し悪人と再対決する  作者: 元々島の人


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ストーカーとの対決

「ストーカーとか人聞きが悪いな。俺様は愛の誓いを挙げに来ただけだがな」


 マリーディアは怯えと憎しみの混じった表情をし、不安で腕を組んだ。


「いい加減しつこいぞ帰れ」

 ボジャックは低い声で怒った。


「それとも俺が相手になるか」

 とゾゾも言った。


「おおっと、丸腰の相手に剣で戦う気かい? もっとも素手じゃ俺にはかなわないだろうがな」


 ジェイニーはふとクラビを見た。するとクラビは下を向きどうしていいか分からず震えている。


 ジェイニーは思った。

 ど、どうしたの? マリーディアのピンチなのに……


「おや、お前は前にビビッて二人震えてたやつじゃねえか」

「……」


「何とか言ってみろよ」

 とクラビに迫った。覗き込む様に。


 クラビはがたがた震えている。

「どうしたんですかクラビさん!」


 ゾゾも声をかけた。

「……」


「何とか言ってみろよ」

 ぜネイルはさらに調子づいた。


「やめて!」

 精悍な顔でマリーディアは言った。ゼネイルは振り返った。


「相変わらずりりしいな、好みだ」

 とゼネイルは近づいて来た。


「やめろ! 近づくな」

 ボジャックは怒鳴った。


 ゾゾはゼネイルの腕を取った。

「やめろ」


 しかし腕力に差がありゾゾはふっ飛ばされてしまった。

 クラビは怖がっていた。


 彼はやられるどころか孤児院時代ゼネイルに文句ひとつ言えず、好きなマリーディアの危機に何も出来なかった事が大きなトラウマになり今でも体が動かなくなるのだ。


「待って」

「マリーディア」


 マリーディアが前に出てボジャックは驚いた。

「皆を傷つけるのはやめて、私が話を聞くわ」

「ほほう」


 女神はクラビに言った。

「どうしたの? アンカーでやっつけちゃって!」


「見れば見る程可愛いなあ」

「貴方も、相変わらず卑劣な男ね」


「その卑劣さも好きにさせてやるさ」

「ぐっ!」


 突如物凄いマリーディアの重いパンチが肉の多いゼネイルの腹にめり込むほどに突き刺さった。


「ぐあああ!」

「おお!」


「ぐ、ぐあああ! 何てパンチ力だ……しかも急所を正確に、おのれ!」


 掴みかかろうとしたが今度はマリーディアは足払いで転ばせた。

「くおおお」


 しかし起き上がったゼネイルは猛然と掴みかかった。

「うっ!」


「単純な腕力なら俺の方が上だ! 押さえつけてやる!」


「ぐう!」

 両腕でマリーディアの体を締め上げる。


 クラビが腕を押さえつけた。

「何?」


 いきなり表情の変わったクラビは渾身のパンチを浴びせかけた。

「ぐあああ!」


 ゼネイルはダウンした。

「く、くそが、どう言う事だ」


「勇者の力がマリーディアさんを思う事で目覚めたのね!」

 女神は喜んだ。


「アンカーと剣でやっちまえ」

 ボジャックが言ったが何とクラビは剣とアンカーブレスレットを外した」


「えっ?」

「どう言う事だ」


「ちょっとやめて!」

 マリーディアが悲鳴を上げた」


「俺が相手だ」

「なにいい」


 そして殴り合いは始まった。両者のパンチが一発づつと飛んだ。クラビのパンチは気迫がすごくゼネイルが驚いた事もあって確かに効いた。しかしダウンは奪えない。


 逆にクラビは重い、百五十キロ近いパンチを顔面に受けた。

「クラビ!」

 マリーディアが悲鳴を上げた。


「ぐぐ」

 顔面が変形しそうになりながら何とか踏みとどまった。


 しかしゼネイルは突進し二発目を叩き込もうとした。これを何とかかわしたが三発目をまともに食ってしまった。


 これを食い倒れかけた所で髪の毛を掴まれ重い膝蹴りを腹に叩き込まれた。


「ぐあ!」

 さらにもう一発食らいフラフラだったがさらにボディブローを叩き込んだ。


「普通なら内臓破裂だな」

「もうやめてっ!」


「いいぜ、お前が言う事を聞くのなら」

「俺達も相手だ」


「ふん、ボジャック、お前らは他のガキたちと力を合わせてようやく俺を追い払ったんだろう」


「クラビさんの危機は俺が救う!」

 いきなりゾゾは殴りかかった。


「大したパンチじゃないな!」

 ゾゾは吹っ飛ばされた。

「まだだ!」

 と立ち上がるゾゾにクラビは待ったサインをした。


「クラビさん」

「う、うおおおおおお……」


「まだやんのか弱虫小僧が」

「うおおお」


 クラビは殴りかかったが今度は膝蹴りを受けてしまった。

「がうう」

 しかしクラビは獣の様な声でこらえた。


 さらに顔にパンチを食った。すると目が眩しく光り反撃のパンチを浴びせた。


「がう!」

 ゼネイルはひるんだ。


「うおお」

 パンチの連打を浴びせた。これが相当効いている。


「あ、あぐあ」

 もう一発止めにパンチを入れるとゼネイルは倒れた。


 しかしクラビは終わると力が抜け倒れた。

「クラビ!」


 マリーディアは倒れたクラビを抱きしめた。

「近くの町に行きましょう」



11月3日18時頃3話目投稿します。

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