天使の力
クラビがまごう事なき天使の姿になっていた。
ボジャック達は驚いた。
「え?」
「クラビ天使の輪っかと羽根が付いてる」
スタグラーは言う。
「彼は『人間でない存在』になったのか? 確かにあの姿はそうだ。だが確かに力を溜めていない不完全な状態だった。どうなっているんだ」
ボジャックは言った。
「で、でもあれどう見ても人間じゃないすよ」
しかし、その中でも実はコプロサスが一番驚いていた。
「ば、馬鹿な人間が神になるはずがない! そんな事はありえん。だとすれば奴の姿は人間ではない何か、と解釈するのが良いのか」
クラビの目は光と輝きがなく悟った様な雰囲気になっていた。
そしてふいに指揮者の様に手をふるった。
するとコプロサスに雷が落ちた。
手からではない、雷が天から塔をすり抜けてコプロサスを直撃したのだ。
コプロサスはうろたえた。
そしてコプロサスの体が焦げた。
「があ……」
皆騒然となった。
「コプロサスがひるんでる」
そんな間もなくさらにもう一発コプロサスを雷が直撃した。
「あうう」
苦しむコプロサス。
初めて見せる苦しみ。
「ば、馬鹿な天から雷が降ったと言うのかそんなものがあるはずがない」
「ある。貴様を裁く雷だ」
クラビの声はとても低く太かった。
皆もコプロサスもそれに気圧された。
と言うよりも喋りや言う事がクラビの、と言うより人間の感じがしなかった。
コプロサスは気を取り直す。
「が……俺が何度もそんな雷を食うと思うか!」
再び雷は落ちた。
「見切れる!」
コプロサスは雷の軌道を見切り横にジャンプした。
危ないと思いボジャックは言った。
「かわされる!」
コプロサスは言った。
「ふっ、大したスピードじゃないな」
と思った瞬間、着地した地点に雷は落ちまたコプロサスは撃たれた。
「が、貴様追撃式に軌道を変えたのか⁉」
クラビは言った。
「軌道など変えていない。元々俺の雷は悪のいる所に落ちるのだ」
「人間の癖に神ぶったような事を言うな! 俺にも雷は出せる!」
コプロサスはクラビ同様天から一筋の雷を落とした。
しかしクラビも天から雷を斜めに落としてぶつけ相殺した。
「まだだ!」
またコプロサスは雷を落とした。
しかしクラビはバリアーの様な膜に包まれ無傷だった。




