天使の羽根
「ふっふっふ! 精神集中出来なくしてやろう」
コプロサスは手をかざした。
すると外で落雷が落ちた音がした。
クラビは集中しているので心で思った。
何だ? 何をしたんだ?
突如町に稲妻が落ちた。
そして貧民街を襲った。
貧民たちは避ける事も出来ず雷に打たれ死んだ。
町民達は驚いた。
「な、なぜ貧民街にばかり雷が落ちるんだ? まるで狙われてるみたいだ」
「神の怒り? それとも悪のたたり?」
「で、でも悪い奴も中にはいるかもしれんが、何故立場の弱い人間が打たれるんだ?」
今度は暑い中で農作業をしている貧しい農夫夫婦を落雷が襲った。
「ぐああ!」
一瞬で夫婦は死んだ。
クラビは分からなかった。
何だ、 何が起きてるんだ?
「立場の弱い人間を狙って殺してるのよ。貴様の心に響くようにな」
今度は町を歩く、最近親を亡くしたとても貧しい少年が雷に打たれた。
「うわあああ!」
町の人達は驚いた。
「な、何故あんな不幸な少年が雷に打たれなければならないんだ」
「この世はどうなったんだ。悪魔が降臨したのか?」
「貴様同様に金も親もない奴を殺してやった」
くっ! 何て事を、もう我慢できない!
クラビは精神集中を解こうとした。
しかしそれに気づいたスタグラーは大声で止めた。
「よせクラビ! まだエネルギーが溜まっていない! 中途半端な状態で戦えば今度こそ本当にやられるぞ!」
クラビはテレパシーで答えた。
「で、でも、こんな事をこれ以上許しておくわけには行かない! いくら何でも!」
ボジャックとマークレイは言った。
「頼む! 今はこらえるんだ! お前しかコプロサスを倒せる可能性のある奴はいないんだ」
「俺だってはらわたが煮えくり返っておかしくなりそうだ。だがだからこそこらえてくれ!」
アズロも言った。
「頼む、こらえてくれ」
し、しかし、これ以上人が殺されたら。
しかも弱い者ばかり。
「頑張って……」
「マリーディア?」
マリーディアもテレパシーの一種の能力に目覚めた。
「お、お願い、ここであなたがこらえなければ全てが水の泡になる。貴方は今の様に強くなる前からずっと皆の勇者だったわ。そして私だけの……」
「え?」
クラビにはその先が聞き取れなかった。
マリーディアはあえて言わなかった。
しかし突如マリーディアに雷が落ち撃たれた。
「!」
ジェイニーとミルダが診た。
「ひどい。命はあっても致命傷に近いわ!」
「こざかしい事をするからだ小娘め」
クラビはもう我慢の緒が切れそうな状態だった。
「も、もう例えパワーアップが中途半端でも良い! これ以上黙っていられるか!」
スタグラーは言う。
「よせ! まだ力が溜まりきっていない! 今戦えば負ける!」
「もう俺は限界だ。例え負けたとしても、見て見ぬふりをするなんて勇者じゃない!」
そしてクラビの頭の上に輪っかが付き天使の羽根が




