復活と攻勢
「ああ……」
マリーディアはショックで気を失ってしまった。
勿論他のメンバーも気絶はしてないが意気消沈している。
「じ、冗談だろ? クラビが粉々に」
「夢でも見てんのか」
コプロサスは言う。
「悪夢で悪かったな。だが悪夢よりもひどい現実を君達はこれから知覚するわけだが。はーっはっは。私はクラビを一瞬で殺す事などいつでも出来たのだ。ただそれでは君達があまりにも不憫なので加減してやっていたのだ。思い知ったか。そこそこ強くなっても人間が神に逆らうなど無謀を通り越した愚かな行為なのだ」
ボジャックは悔しさを嚙み締めた。
そして本当はとてつもない恐怖を感じているのだがそれを勇気に変えた。
「やってやる、クラビの弔い合戦だ」
ゾゾも言った。
「俺もやります!」
「ふん」
コプロサスは鼻で笑った。
その時、異変が起こった。
クラビが爆発した場所に、すごいスピードで何かの結晶体の様なものが凄い速さで四方八方から集まり始めた。
「何だ?」
そしてそれは凄まじいスピードで人形の様に変わった。
「えっ?」
そして人形は抽象的な形からクラビの形になっていった。
クラビは蘇ったのだ。
「え?」
「な⁉」
コプロサスは初めて慌てた。
「ば、馬鹿な! そんな事があるはずがない! 爆死して生き返る人間等! はっ、やつは『神の被造物』、デュプス神が何か仕掛けでもしておいたのか?」
「あああ」
クラビは確かめるように両手を見た。
「生きてる。いや変わったみたいだ。エネルギーが溢れている」
「クラビ、大丈夫なのか⁉」
「ああ、本当に無事みたいだ」
「マリーディア! クラビは生き返ったぞ!」
「ば、ば、馬鹿な!」
アズロは思った。
「あれほどうろたえるとは。クラビの体の秘密はコプロサスでさえわからんのか」
クラビはすっくと立った。
「よし、何とか行けそうだ今度こそ」
コプロサスはにやりとした。
「何かよくわからんがまだわからんか? 貴様は一撃で殺される程力の差がある事を」
クラビは自信に満ちて言った。
「今度はやってやる。何か今までの俺と違うんだ」
「ほざけ! 今度こそ殺してやる!」
先程クラビを粉々にした技の構えを取った。
「おっと!」
クラビはあっさりかわした。
「おのれもう一発」
同様の構えを取ったが今度はクラビは耐えはじき返した。
「何だと⁉」
「俺は今はあんたの技の正体がわかるよ。あれは超能力だけど、透明な見えない爆弾の様なエネルギーを投げつけているだけなんだ。だから見切れるようになった」
「くっ! わからん理由で復活した上パワーまで上がるとは」
「今度はこっちから行くぜ!」
目にも止まらぬクラビの鉄拳がさく裂しコプロサスは吹き飛ばされた。
「さらに!」
勇者の魂をライフルの形に変形させ銃口から光線を放った。
「勇者の魂・砲撃型だ」
これがダウンしたコプロサスにもろに当たった。
「さらに!」
クラビは「勇者の魂・火炎撃」を放ち、コプロサスを焼き尽くそうとする
「がああ!」
コプロサスはおそらく初めて苦しみの表情を見せた。
ボジャックは言う。
「す、すごい、生き返ったのもすごいがパワーが上がってコプロサスを圧倒してる」
マリーディアは言った。
「クラビ、あまり無理しないで……」
しかしスタグラーは言った。
「いや、確かに力は上がって攻撃も効いてはいるがあのくらいではコプロサスは倒せない。またやられてしまうぞ! 何とかしなければ」




