万事休す爆死?
「クラビが氷漬けに!」
一同は騒然となった。
「まずい! 今の状態で殴られでもしたらばらばらになってしまうぞ」
「助けなきゃ」
コプロサスはポートサス達の方を見た。
そしておもむろに指でまじないの様な動作をした。
「あっ!」
何と、一瞬のうちにクラビの凍結が解除された。
当然皆当惑した。
「どう言う事だ」
コプロサスは余裕綽々だ。
「ふふん。これで終わっては面白くないから解除してやったのよ。まさか勇者が冷凍光線一発で殺されたら元も子もない」
「体の温度も元に戻ってる」
クラビは自分の手を見つめた。
クラビは悔しがった。
「くっ、舐められてる」
「舐められていると思ったら自分の意地を見せたらどうだ? 強いんだろ?」
「じゃあ仕切り直し!」
クラビは飛び掛かった。
「鉄拳!」
繰り出した鉄拳がノーガードでコプロサスの頬にヒットした。
「……」
だが全く効いていない。
そしていきなりコプロサスの凄まじい重さのパンチで反撃され吹き飛ばされた。
さらにダウンしたクラビに高くジャンプしたコプロサスは急降下して膝を腹に落とした。
「ぐあ!」
クラビは重い攻撃で吐血した。
「もう終わりか? 立ってるまで待ってやる」
「く、くうう」
唖然とするクラビは体勢を立て直す間もなくまた殴られ吹っ飛ばされた。
後ろからマークレイが助けるためコプロサスに飛び掛かったがすぐさま反撃を受けた。
「いかん!」
スタグラーは突如割って入った。
コプロサスは怪訝な顔をした。
「何の真似だ裏切り者」
スタグラーは答えずクラビに言った。
「ここは私が食い止める。お前は真の力を引き出すんだ!」
「え⁉」
スタグラーは続ける。
「そうだ、前に言ったろう。私は神の被造物だった人を知っていると。人間でない何かへたとえ理性を失っても変わらなければ、もはや君は奴に対し勝ち目は全くない。神の被造物として人間ではない何かになるんだ」
「人間ではない何か」
「うるさい」
コプロサスの攻撃でスタグラーは吹き飛ばされた。
しかし彼は立ち上がった。
「私が食い止める」
「大した執念だな」
スタグラーは聞いた。
「ところでコプロサス、貴様の狙いは何だ」
「ん?」
スタグラーは具体的な質問に変えた。
「アンドレイの狙いは世界の統治だった。でも神のお前は違うだろう」
「私の狙いかくっくっく。私の目的はデュプス神を殺す事だ」
「デュプス神を殺す?」
コプロサスは悪びれず答えた。
「そうだ。神をだ。そうすれば神話時代から続いてきた神は私1人になる。そうなれば世界をサブラアイム教一神教にして悪人だけの世界を作るのだ」
「何? そ、そんな事はさせん」
「お前が食い止めるというのか? 笑わせるな!」
目からの光線でスタグラーを撃った。
クラビは思った。
「助けないと!」
そこへボジャックやマリーディア達が到着した。
「遅くなって済まない!」
「クラビ!」
マリーディアは特に心配していた。
「ほほうお仲間か。特にそのお嬢さんはクラビの恋愛相手か。いいものを見せてやろう」
「え?」
コプロサスが手をクラビに向けると何とクラビは大爆発した。
本当に粉々になってしまった。
信じられなかったがそれを見たマリーディアはふらりと気絶してしまった。




