コプロサス溶けて燃える そして新たな姿
「あ、あああ!」
クラビの勇者の魂・火炎撃で全身を燃やされ続けているコプロサスは断末魔と言っても良い苦しみの叫びを上げた。
まだクラビは火炎撃をコプロサスに浴びせ続ける。
コプロサスは苦しみ叫ぶ。
「ああ! 私の体が燃える!」
クラビは違和感を感じた。
この男、本当に苦しんでいるのか? 依然としてわからない。
だが今攻撃のチャンスを逃すわけにはいかない。
中途半端に攻撃するのが良くないんだ。
それに効いている手ごたえは確かに感じる。
燃え盛る火炎の中でコプロサスは苦しみあがくような動きをした。
「ああ、溶ける!」
ポートサスも注意深く見ていた。
「このまま押し切れば倒せる?」
スタグラーも言った。
「クラビ、躊躇はするな」
さらに放出を続けるクラビ。
コプロサスの体は遂に溶け始めた。
「行けるのか?」
マークレイは思わず身を乗り出した。
「あ、があお!」
コプロサスの叫びは言葉にならなくなって行った。
「よし! 温度をさらに上げる!」
火炎の温度はさらに上がりついにコプロサスの肉体は解けて液体化し床に消えた。
「勝ったのか?」
その時コプロサスの声がフロアに響いた。
「ふはーっはっはっは!」
「‼」
コプロサスの声は続く。
「よくぞこれだけの攻撃を見せたな。では私も真の姿を見せよう」
マークレイは呆れた。
「また、『真の姿』かよ!」
ドン! と言う爆発が死体の様に液体化したコプロサスの肉体から起きた。
煙も舞う。
皆は目をつぶらず何が起きるか見逃さないようにした。
煙が消えると今度は凄まじく眩しい光が発せられた。
皆目が眩んだ。
そして目の眩みが止む頃、また声が響いた。
「ふっはっはっはっ!」
何とそこには人間の脳と同じ『脳』が四メートル台の大きさになり置いてあったのだ。
「の、脳みそ⁉」
「あれがまさかコプロサスの脳?」
「ふっふっふ、そうだよ。私の脳だよ」
「これがあんたの真の姿だとでも言うのか」
「そのものずばりそのままを見せてあげたんだよ」
「また変わるんじゃないのか」
「そう思うなら攻撃してくればいいんじゃないのか?」
この言葉が嫌な緊迫感を与えた。
マークレイはあえて挑発に乗った。
「いいぜ、じゃあお望み通り攻撃しようじゃねえか」
マークレイは全く動かない脳めがけて突進し光閃掌を叩き込んだ。
動かないのでかなり手ごたえはあった。
さらに剣でぐさぐさと何回か切った。
さらに勇者の魂で作成した巨大こん棒を出した。
「うおお! 超重棍撃!」
棍棒を振り上げ何発も思い切り殴りつける。
手ごたえはある。
「さらにこれだ!」
マークレイは勇者の魂をチェーンハンマー型に固めそれでも攻撃した。
「クラビも頼む!」
「よし」
クラビは勇者の魂火炎撃を放った。
ごうごうと高熱の炎が脳を包む。
「あいつは避けられない、一気に攻めるんだ」
しかし脳は炎の中から反撃してきた。
何と脳に人間と同じ形の口が開きそこから光線をクラビめがけ放ったのだ。
クラビは食らった。
「だが攻撃は止めない!」
「俺もだ!」




