クラビの感じた違和感
コプロサスは顔はイカ、体は人の化け物の姿を現した。
「私を怒らせたな」
「……」
クラビは何故かあまり恐怖を感じなかった。
怒っていると言いながらどうも本気で怒ってるような気がしない。
マークレイは気づいていないがクラビはそう思った。
「水圧の最大級魔法だ」
コプロサスが詠唱すると。手から棒に近い形状の水の弾丸がクラビとマークレイめがけ放たれた。
二人とも何とかかわした。
マークレイはぎりぎりだったがクラビは少し余裕があった。
「当たれば死んでいただろうくっくっ」
しかしクラビは何か違和感を感じていた。
この男、本当に本気なのだろうか。
さらにコプロサスは牽制なのか勝負を付けようとしているのか良く分からない雰囲気で水の弾丸を撃って来た。
マークレイは言った。
「大分速いぞこいつの攻撃」
「……」
しかしマークレイは水攻撃を「速い」と認識したのだがクラビはどうもコプロサスの攻撃等が腑に落ちない表情をしていた。
「今度はこれを食らいたまえ」
と言いコプロサスは口から激しい勢いで黒いガスを吐いた。
どうもあまり言い方に迫力がなくクラビは感じた。
マークレイは言った。
「イカ墨みたいなやつか?」
「毒かも知れない! 口を塞ぐんだ!」
吐き出された黒い気体はあっという間に部屋を真っ暗に埋め尽くした。
「ぐあ、何も見えない!」
マークレイは不意打ちを食ってダウンした。
「ぐっ!」
そしてパンチだけでなく水弾も食った。
「ぐっ、どうだ? 効いただろ? それに周り中暗黒だから見えんぞ。こうして見えん場所から攻撃してるだけで私は勝てんよ」
マークレイは言った。
「神とは思えない姑息な手を使いやがって……!」
クラビは確かにそうだと思った。
言葉にこそ出さなかったが。
こんな姑息な手を使うのが本当にコプロサスなのか?
攻撃力も確かに強いけど。
何より手の内を見せてるのかよく分からない雰囲気が一番気になる。
ポートサスは叫んだ。
「クラビ! 何故口を押さえないんだ。 毒で死ぬぞ!」
「大丈夫です。僕は体内でかなりの毒を中和出来ますから」
「ほう!」
「そ、そんな能力まで身に着けたのか」
「だったらもっと面白くしてやるよ」
と言い激しい黒煙を吐いた。
「くそ!」
マークレイは前に見せた巨大こん棒作成スキルでこん棒を作り振り回した。
「それで風を起こし、煙を振り払う気かな?」
「それだけじゃない!」
マークレイはパワーアップしておりまるで短剣の様に軽々とこん棒を振り回した。
「当たらんな」
とコプロサスは言ったが、マークレイは勇者の魂を剣の刃に発生させ飛び掛かった。
「ぐっ!」
見事これでとらえ、肩から胸に手傷を負わせた。
マークレイは言った。
「これで切るつもりだったが相当防御が高いな」
「くっくっく」
しかしクラビはまた納得行かない顔をした。




