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アンドレイ無残 コプロサス降臨

「射出型光剣でアンドレイの心臓を貫いた!」

「あ、あぐ……」

 アンドレイはぴくぴくしている。


 アイムは叫んだ。

「今よ! 射出型光剣から勇者の魂を心臓に送り込めば倒せるわ! クラビは神の作った人間だから体内に大量の勇者の魂があるのよ! 今度こそ確実に行ける!」


「そうか! だからアンドレイはクラビしか倒せないんだ」

 しかしクラビは嫌そうな顔をしてこれ以上エネルギーを注入していない。


 アイムはさすがに驚いた。

「どうしたの? 何故?」


 そしてしばらく迷った末、クラビは剣を引き抜いた。

 アイムは叫んだ。

「あっ!」


 アイムは言った。

「どうしたっていうの? まさか止めを刺すのを迷ってるの? そんな甘さなんか必要ないわ! こいつはどれだけの人を苦しめて来たと思ってるのあなたも含めて!」


 ポートサスは驚いた。

「それだけじゃない! 急所を外してるぞ!」


 アズロも言った。

「わざと外したんだろう」


 アイムは言った。

「今こいつを倒さなければ後で一生後悔するわ! 貴方だけの問題じゃないのよ! これまでもそうだしこれからもずっと苦しむ人が出てくるわ!」

「……」


「答えてクラビ」

「それでも、簡単に人は殺せない」


「分かったわ、私がやる。ごめん頼んでばかりいて」

 アイムは小刀を手にした。


 アンドレイは遂に口を開いた。

「何故殺さなかった? いや、よくも助けたな」


 ベルスが言った。

「はあ? 何言ってんだお前いい加減にしろよ」


「な、何故殺してくれなかった」

 アンドレイは震えおびえている。


「わ、私はさっきしたように自爆して果てようと思った。何故だか分かるか?」

「……」


「プライド等と言う安っぽい物ではない! 私が負けて生き残れば、コプロサス様にもっと恐ろしい目に合わされるからだ! そんな目に合うくらいなら私は潔く死にたかった」


「……」

「お前は知らない。同じ殺されるのでも『誰に殺されるか』によって恐怖も苦痛も全く違うのだ。た、頼む殺してくれ、頼む」


 クラビだけでなく皆呆然とした。

 アンドレイはプライドを捨てすがっているのだ。


 突如雷が落ちた。

「ひいい!」


 クラビは怒った。

「よせコプロサス! 俺があんたの相手をする! アンドレイを殺すな!」


「ひいい!」

 アンドレイは逃げようとした。


 しかし突如足が切断された。

「ぎゃああ!」


 大量の血が噴き出した。

 アンドレイは涙を流した。


「よせっ!」

 クラビはアンドレイをかばった。


 しかしクラビは攻撃を受けず今度はアンドレイの右腕が切断された。

 血が噴き出す。


 絶叫するアンドレイ。

「負けた上に敵に情けをかけられるとは、死ね」


 アンドレイは液体の様に溶けた。

 マークレイは言った。

「な、何て残虐な殺し方だ。しかもナンバー二の人物に一片の情けもかけないとは」


 クラビは天井に向け叫んだ。

「くっ、出てこい!」 

  

 全身をマントで覆い正体を隠したコプロサスは人間台の百八十センチほどの大きさで降臨した。

「正体をお見せしよう」


 コプロサスがマントを脱ぐと頭は人間のものでなくクラゲだった。

「く、クラゲ⁉」


「クラゲ、そうだな君達の世界ではそう呼ぶ生き物だ。その通り電気ショックも出せる」

 コプロサスは手から電気を出した。

「くっ!」


 クラビはかろうじてかわした。

「次は感電死させてやるぞ」


 クラビだけでなく皆思った。

 こいつ、確かに強い、電気の威力もある。

 でもアンドレイもあれほど恐れた邪神がクラゲの化け物程度なのか?


 

 


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