ついに解けた呪い
ドルイは焦った。
「何だと! 何と言う抵抗力だ。こんな抵抗力と精神力を持った相手は初めてだ。こいつは邪心に簡単に屈する奴だと思っていたのに」
ベルスは思った。
以前マークレイがおかしくなったのは精神的にもろい部分があるからだと思っていた。
皆もそう言うイメージを持ってたと思う。
だけどあいつは子供の頃から想像を超えるような精神で頑張っていたんだ。
だから糸が切れやすくなっていたんだ。
クラビは言った。
「俺はマークレイを信じていた。例え彼の心中が全部把握出来てなかったとしても」
アズロは言った。
「裏表が全くない裏切らない人を信じたとしてもそれは本当に人を信じるとは言わない、信じていいのか悪いのか迷いがある時にこそ信頼は試されるんだ」
アンドレイは焦った。
ま、不味いぞ、こいつは相当パワーを上げている。それにクラビも。今こいつらを一度に相手をしたら認めたくないが負ける……?
「ええい! 呪いをかけるだけでなくそいつの精神を揺さぶるんだ!」
ドルイはにやりとした。
「貴様は操られてから散々仲間達を傷つけた。それは貴様が邪心を持っていたのが原因だ。その罪から逃れられるかな? 仲間達は激しく怒って許さないと思うが」
クラビは叫んだ。
「黙れ! 俺達はそんな事一切気にしてないんだ! お前らが全部悪いんだ!」
しかしマークレイは心が少し弱くなった。
そ、そうだ、俺は確かにクラビを激しく傷つけてしまった。俺の責任だ。
不覚に操られただけでなく心に邪心があったからなんだ。
再びマークレイの抵抗力が弱まって来た。
ドルイは喜んだ
「はっはっは! 奴の抵抗力が弱まりました!」
アンドレイもにやりとした。
「よし、いいぞ。こいつは友人の振りをしていた。貴様はクラビの事をマリーディアとか言う娘の事で妬んでいるんだろう!」
「!」
クラビは叫んだ。
「変な事を言うな!」
しかしアンドレイは続けた。
「自分に正直になったらどうだ? クラビがいなくなれば娘がお前の物になるぞ! それくらい調べはついてるんだ!」
「うぐぐ」
クラビは自分に言う権利がないと思い言えなかった。
アンドレイは嘲笑った。
「はーっはっは! 貴様の手でクラビを殺せ! そしてあの女を物にしてやれ!」
マークレイは言った。
「俺は、俺はそんな事は出来ない! 正直に言えばクラビがいなくなればと思った事もある」
「!」
「でも今の俺がいるのはクラビのおかげなんだ! それにマリーディアの心に俺はいないんだ!」
「……」
マークレイは思った。
だから俺は死ぬ様な思いで彼女を吹っ切って……
そして言った。
「クラビ、皆さん、後で俺を好きなだけ殴ってくれ」
クラビは意外な答えを返した。
「ああ、殴るよ」
そしてマークレイは全身の力を放出する要領で遂に呪いを吹き飛ばした。
アンドレイは驚いた。
「馬鹿な!」
マークレイは言った。
「貴様らの呪いを吸収してやったぜ」
「呪いを吸収しただと!」
「勇者の魂と貴様らの力を体内配合した! 俺は今までと違うぞ!」
「おのれ!」
アンドレイは全ての力を込め最大威力の光線状の魔法を繰り出した。
しかしマークレイは慌てる事無く勇者の魂と悪の力を合わせた光線を発した。
アンドレイは驚愕した。
「な、何!」
アンドレイは撃ち負け後方に吹っ飛ばされ叩きつけられた。
皆ぽかんとした。
ドルイは恐れた。
アンドレイ様が負ける……
いよいよコプロサス様が降臨する……




