狂うマークレイ 信じるクラビ
マークレイはもがき、苦しんだ。
「マークレイ!」
その様子を見てクラビは叫んだ。
「ぐぐおおお!」
マークレイはまるで全身を悪性の病気に蝕まれた様な苦しみ方だった。
「マークレイをどうするつもりだ!」
ポートサスは叫んで聞いた。
アンドレイは答えた。
「見ての通りだ。呪いをかけて精神を支配し、我が配下とし、最高幹部にする」
「何だって⁉」
クラビは駆け出してマークレイを助けようとした。
しかし凄まじい瘴気で吹き飛ばされた。
「くそっ!」
アズロ達も駆け出したが同様に吹き飛ばされた。
アンドレイは冷酷に笑った。
「あいつが全てを支配される様をじっくり見るがいい」
しかしクラビは倒れた状態で答えた。
「マークレイは、そんなまやかしの催眠術なんかにかかる奴じゃない!」
アンドレイは笑った。
「催眠術? ははは、そんな安っぽい物ではないよ」
「何?」
「我々は彼を操ろうとしてるわけじゃない。本性を引き出し開花させようとしてやってるのよ。その為に最高の呪術師を引っ張り出したんだからな」
「お任せくださいアンドレイ様」
「う、うおおお!」
まるで獣の様な叫びを上げるマークレイ。
クラビは再度飛び掛かった。
その瞬間、凄まじい威力のパンチを食らって吹き飛ばされた。
「ぐあ!」
シンバスも飛び掛かったが同様にやられた。
マークレイは前のめりになり指を前に突き出し、目は白くなり獲物を狙う血に飢えた怪物の様になって行く。
「いかん!」
アズロとポートサス、ベルスはとびかかったがパンチにやられた。
倒れながらポートサスは言った。
「何て威力だ。これが人間の素手の威力か」
アズロは言った。
「それだけではない、容赦と言うものがなく理性を失っている」
「その通りだ。彼の悪の心を肥大して真の悪人にしてやるのよ。私は彼の戦いの才能と悪の心に目を付け、目をかけていたからな」
クラビは言った。
「ふざけるな! マークレイにそんな悪の心があるはずないだろう!」
アンドレイは答えた。
「それは貴様がそう思い込んでいるだけだ。貴様が奴の心を全て知っているとでも言うのか」
「全ては知らない、でも例え全て知らなかったとしても俺は信じてる」
「ふん」
「俺が救うんだ!」
クラビは再度飛び掛かったが今度はもっとすごい威力のパンチを食い吹っ飛ばされた。
そしてマークレイはつぶやいた。
「クラビ……殺す……!」




