七人目の戦士の謎と正体
無情にも爆発は起きた。
煙が収まるとそこにガッツオの姿はなかった。
「……!」
クラビは目を背けた。
あまりの残酷さと何も出来なかった自身に対する悔しさでいたたまれなかった。
マークレイ、ベルスも同様だった。
クラビはうっすらと涙を目ににじませた。
アンドレイは水を差した。
「何の役にも立たず死におって。最後の最後まで役立たずで何の価値もない命だったな」
コーティングされていたジョルジュはかろうじて生き残った。
「少しは役に立つかと思ったらあろうことか我々に牙をむいてくるとは、せっかく生きている意味がない人物に目をかけ爆死の尊厳を与えて勲章でもやろうと思ったが、裏切るとは。畑を耕すのが三流なら爆死も三流だな、もう少し役に立つ死に方は出来んのか」
「!」
遂にクラビは怒った。
そしてアンドレイに飛びかかり剣ではなく素手で思い切り殴った。
アンドレイは吹き飛ばされた。
さらに倒れた所を掴んで殴った。
な、何だ。このパンチの威力は、この前とまるで違う。
ま、まさか私がやられるとでも。
さらに理性を失いクラビは何発もアンドレイを殴った。
「あ、あぐ!」
アンドレイの顔が変形していく。
まだクラビの怒りは収まらない。
その時塔の天井から雷がアンドレイとクラビの間に落ちた。
クラビは思わずバックステップして避けた。
コプロサスの声が轟いた。
「何をやっている! 貴様が勇者を倒すんじゃなかったのか! どう言う失態だ! かくなる上は私が直々に出てやる」
「お、お待ちください! まだ手が残っております! どうかチャンスを!」
そう言うとコプロサスは黙った。
アンドレイは立った。
「貴様……! いいだろう、念願の七人目の戦士を出してやる」
何で隠してたんだ?
「出ろ!」
アンドレイが指図すると奥から体の非常に小さいローブを纏い帽子を深くかぶった魔術師らしき男が現れた。
「覚悟しろ」
「こんな弱そうな奴が?」
「戦うのはこいつではない、ふっふっふ」
魔法使いは詠唱を始めた。
突然マークレイが苦しみ始めた。
「七人目の戦士、それはマークレイだ!」
「え⁉」
「呪いには相性がある。この呪術師ギブの術は、調べた所マークレイの精神と肉体にこれ以上無いほど相性がいい事が分かったのだ。だからわが軍に入れと言っていたのだ。覚悟しろ、呪いによって引き出されたマークレイの力は貴様の力すら遥かに上回るぞ」
「何だと!」
「ぐああああ!」




