ミッシェルの拳と六人目の戦士の謎
二人は爆発したかに見えた。
しかしこれでもジェネラル・スライサーの鎧は傷一つ付かない。
まだミッシェルにはわずかな体力が残っていた。
ジェネラル・スライサーは勝ち誇った
「はーっはっは! 自分の命の大半を賭しても傷一つ付けられなかったな!」
「……」
「死ね、邪神界送りだ」
「何だ⁉」
剣から発せられた光線を動けない状態でミッシェルはまともに浴びた。
光線がミッシェルの全身を襲い通り過ぎた。
しかしまだ睨みながら立っている。
「な、何だと」
ジェネラル・スライサーはたじろいだ。
「このゾンビまがいが」
「ぞんびだろうがなんだろうが別にいい、俺はこの拳だけで勝つと言ったろ」
「戯言を言うな。自爆でも傷一つ付かなかったんだぞ」
ミッシェルは肩のアーマーを殴った。
すると薄くヒビが入った。
「何?」
「俺は拳を誰にも負けないよう磨いてきた。嘘だよ。俺には今デュプス神の力が宿ってるんだ」
「何だと?」
「さっき自爆した時俺は完全に死を覚悟した。嫌死んでいた。その時デュプス神が力を与えてくれた。俺の体と拳にな」
「なっ!」
「俺は神を信じなかった。だから逆に自分の力が完全になくなるまで使った時力を貸しに来てくれたんだ」
ミッシェルの拳が白い光を纏う。
「くらえ!」
ボディに叩き込むと腹部の装甲が割れた。
そして顔面に叩き込むと顔がひしゃげ吹っ飛ばされた。
ジェネラル・スライサーはもう立ち上がれなかった。
「何故だ」
「俺は拳に全て賭けた。それに皆とデュプス神を信じたおかげだ」
まだ少しジェネラル・スライサーには息が残っていたが止めは刺さなかった。
そして六階。
クラビ、マークレイ、ベルス、スタグラー、ポートサス、シンバスの六人が戦っていた。
敵はグラウトマンともう一人、司令官の一人である巨人と呼ばれる男だった。
しかしこの「巨人」の様子がおかしかった。
何と、デュプスの農民がそのまま四メートルの大きさになったような姿なのだ。
マークレイは言った。
「どう言う事なんだ。こいつコプロサスの部下じゃないだろ? 一体?」
アンドレイは笑った。
「そうだ、そいつはデュプスの農民だ。我々がいたぶっていた時そいつは『何でもしますから助けてください!』と言って来た。だから我々の奴隷として動物に注入した巨大化薬を注入して貴様らと戦う戦士にしてやったのよ」
「ひ、ひでえ」
農民は悲しく泣いている。
マークレイは思った。
果たし状に六人目が巨人で全部で戦士は六人いると言っていた。
しかしアンドレイの前に誰もいないぞ。どう言う事だ。誰かとっておきの戦士でもいるのだろうか。




