シヴァとミッシェルの戦い
シヴァはぎざぎざの剣を出した。
「これでそろそろ終わらせてやる」
「ふん! やれ!」
とマリブリンが号令すると二つの毬が複雑な軌道を描いてシヴァに襲い掛かる。
「くっ!」
せっかく高威力の技を出したものの、毬の動きが速すぎてついて行く事が出来ない。
「くそ!」
シヴァは攻撃が当たらない事にいら立った。
当てさえすれば倒す自信があるのに。
毬は複雑な動きを止めない。
また高速で迫って来た。
「くっ!」
シヴァは切り落とすのを止め一旦かわした。
「あの毬の動きについて行く事は出来ないのか。せめて秘密が分かれば」
一つの毬が迫って来た時シヴァは何か霊的な物を感じた。
「!」
その正体が何かわからない内にまた攻撃を食ってしまった。
「何だ、何となく正体が」
シヴァは目をつぶり精神集中した。
すると毬に生命の反応の様なうっすらした物が見えて来た。
「何だ? これは子供の霊か何かか? 霊をあいつは操っている?」
「よく見破ったな。そうだこの毬には死んだ持ち主の子供の霊がついていてね。それに私が指示を送っている。だから予測不能で速い動きが出来るのだ。非常に霊力が強い子でね」
「その子供は何故死んだ?」
「我々が子供の能力を利用するために殺したと言ったら?」
「くっ!」
シヴァは子供の姿もいきさつもよくわからないが怒った。
しかし後ろから毬が飛んできて後頭部に当たった。
「ぐっ!」
一方ミッシェルは五階で全身針と刃物ばかりの鎧を着た男ジェネラル・スライサーと戦っていた。
鎧の刃は動かない物もあるが突如向きを変えたりする。
ミッシェルは刃は自慢のスピードで避けていたがそれでも動きを読み切れなかった。
切られ腕等から血が流れる。
「隙ありだ!」
ジェネラル・スライサーは正面から拳に付いたとげを出して来た。
「くっ!」
避けきれないミッシェルは拳を前に出し直接ぶつけようとした。
「馬鹿め! 避けられないからと言って拳で防ぐ気か? そんな事が通用するか!」
ところがとげのついた拳とミッシェルの拳はちょうど正面でぶつかったが止まった。
「な?」
「……」
「奴の拳と俺の拳のとげにわずかな空気の膜の様な物が。こんな技術も使えると言うのか」
「舐めるな!」
ミッシェルは空いた手で鎧を殴った。
「ぐあ!」
ジェネラル・スライサーは吹き飛ばされた、がミッシェルの拳からも血が出た。
「馬鹿め! パンチの威力は凄いが行為はまるで馬鹿だな」
「俺は馬鹿だ。人の気持ちはわからんし昔から勉強もびりだ。だがお前にはどうしても拳をたたき込みたかった」
「理解できんな単細胞の行動は」




