悪魔のピエロ、マリブリンの妖術
悪魔のピエロ、マリブリンか。
太ったピエロな謎のサーカスで使用する大きなボールに乗って空を飛んでいる。
見上げてシヴァは言った。
「何だかよくわからないが、お前の能力に関心はない」
しかしマリブリンは返した
「馬鹿め、相手を調べずどうやって戦うんだ? 勝つ気だ?」
マリブリンの言う通り、空中の二体の毬は全く予期できない軌道を空中で描きシヴァを狙おうとしている。
シヴァは思った。
確かにあの武器の軌道、全く予期出来ないな。脳波ででも操ってるのか……
マリブリンは笑っている。
「推測せんと私には勝てないよ。私がどんな動きをするのか予測出来ないんだから」
「何だあの動き? いやあいつの動きも何だかふわふわしてやる気があるのか分からない」
そう思っている内に空中のもう一つの毬がかなり高速で突如襲い掛かって来た。
「くっ!」
シヴァは毬をかろうじてかわした。
しかし軌道が変化し戻ってきたそれにまともに当たった。
「ぐあ!」
マリブリンは言う。
「こんな速く重い、しかも予測不能なボール攻撃は武器や魔法ではない。避けきれるかな」
「避けきれるかどうかはわからないが、俺も予測不能な攻撃は出来るぜ」
修行で見せた手からあやとりのような糸の軌道で勇者の魂を発する技を使った。
「ぬ?」
これはマリブリンは面食らった。
空中に一本の線が凄まじく複雑な軌道を描き向かっていく。
ガン!
マリブリンの後頭部に当たった。
シヴァは続ける。
「1発では倒れないなら、まだ行く!」
もう一発出した。
しかしマリブリンはかわした。
「う」
「一回見た上、僕は君のその技が何秒後に自分の体に当たるか大体あてられるんだ。見事に当てられたね。強さとはこういう事を言うんだよ」
マリブリンはまた毬を撃った。しかし
「甘いっ!」
シヴァは素晴らしい反射神経とキックで蹴り返した。
しかし、蹴り返された毬はすぐに戻ってきてしに襲い掛かった。
「何?」
シヴァはこれを避けられず顔に食った。
「ぐあ!」
さらに通り過ぎたと思った毬が高速でまた戻ってきてシヴァを襲う。
もう一発あたりさらにもう一発。
「ぐあ!」
シヴァは倒れたかったのだが倒れる前に次の攻撃が来てまた食ってしまう。
ど、どう言う事だ。もしかしてあの毬には機械か何かが仕込まれていてあいつが操ってるのか?
こんな予測不能な攻撃をしてくる奴は見たことがない。
さすがはコプロサス直属の幹部だ。
だが秘密が分からないとこれ以上対処できない。




