三階の真の番人
回想の中ジェイニーは思った。
「仕方ないわ。そこで倒れたら私は潔くパーティを抜けるわ。頑張りたいけど足手まといになったら本末転倒。私は皆みたいに体強くないし激しく鍛えてもいないし、これからどんどん差がついていずれ脱落するのは目に見えている。特にクラビ、彼があそこまで変わるなんて思わなかった。比較すると私は今一成長してないなって思う」
しかしゾゾは優しく言った。
「付いていけなくなったとしても、メンバーを外れても俺達は大事な仲間ですから」
「ゾゾ君」
マリーディアも言った。
「最初から、そしてこれからもね」
ベルスも言った。
「ジェイニーがいなくなると華がなくなるよ」
「うれしいなあ、皆、私、あまりにもクラビが成長しすぎて自分と比較したけどあの人は神の作った勇者の生まれ変わりだと。自分は自分だと思えるようになった」
回想を終わる。
メッサ―・ディルゴは焦っていた。
こいつら、どうやって短期間にこんな力をつけた?
こんな奴らに。
「くそ!」
自棄になったディルゴは最高レベルの破壊魔法を放った。
しかしジェイニーは何とこれを片手で無傷で受け止めた。
「ば、馬鹿な!」
「私は体も強くなったけど、一番は魔法防御を上げた事よ。手に魔法コーティングして強力なバリアみたいに防げるわ」
「何だと?」
「もう交代した方がいいんじゃないか真の3階の門番に」
「くっ!」
ジェイニーはじっとディルゴを見つめたがそれ以上攻撃しなかった。
その時ローブを着た三階の真の番人が後ろから来た。
「お前では無理か」
「は、はい」
突如、雷が落ちディルゴの肉体は消滅した。
「!」
「私ではない。コプロサス様がやったのだ。さあ、見せてもらおうか勇者パーティの実力とやらを」
なんと、男が被り物を外すとそこにはカメレオンの顔があった。
「え?」
「私も爬虫類、いや上位人種の魔法使いだ」




