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勇者の記憶と力を封印された少年、「神に造られし者」の孤児に転生し悪人と再対決する  作者: 元々島の人


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ボジャック対黒の神父

 マリーディアは「あ、あ」とかろうじて息があり声を出せる程度で立てるような状態ではなかった。

 言葉も発せない。


 ミルダは懸命に助けようとする。

「ひどいわ、回復魔法をかけ続けていなければ死んでしまうほどの重傷だわ。でも必ず助けて見せる」


 上の階に行くにはまだしばらく魔法をかけ続ける必要がある。

 しかし再度戦う力があるかどうか。


 ボジャックは二階の門番、黒神父パロンに苦戦していた。

 アンドレイが前にかけた様な激しい呪いの力で体の外部も内部も激しい痛みが響き動けない。

「が、がう!」


「あなたは呪いの力によって動く事も出来ずにこのまま死になさい」

「が、がう! ふざけるな! 俺は呪いなんかでやられんぞ!」


「ではもっと呪いを強くしましょう」

「ぐあ!」


 痛みが一段と激しくなった。

「ぐっ! 物理でも魔法でもないこんな攻撃どうやって振り払えというんだ。何か方法があるはずだ俺は諦めない!」


「やせ我慢しない方がいいですよ」

「うるせえ!」


 しかし方法はない。

「そういえば皆がアンドレイに呪いをかけられた時クラビだけが解く事が出来た。あれは勇者だからか。でも何故あいつは勇者になる事が出来たんだ。俺はなぜなれないんだ。何が原因なんだ。俺の人格とかに原因があるのか」


「無駄ですよ。私のこの呪いの力はサブラアイム教への信仰心の強さから来ているのです。だからこれほどの威力なのです。身を全て捧げても構わないといつも思っています。貴方とは違う」


「お、俺は神を全く信じてない訳じゃないし現に教会にいっぱい助けられた。だけど俺は人間は基本的に神にすがってちゃだめだと思ってる。強くなり道を切り開くものだ。だからそうして強くなったし自分を変えたし勇者の魂に似た体内エネルギーもコントロールできるようになった。だから俺は意地でも屈しない!」


「無駄な事を」

 ボジャックはさらに全身に力を込めた。

 ところがさらに強い圧がかかり動きも取れなくなった。


「ぐ」

「無駄な抵抗を続けていると体力がどんどん減りますよ」

「その抵抗を最後まで続けるのが俺の生き方だ」


「神を信じないあなたにそんな力があるとは思えませんが」

「神っていうよりも俺はクラビ達の為命を投げ出しても構わないと思ってるんだ! ここで朽ち果てても」


「神を信じない人間に強さはありません」

「お前は悪魔を信仰しているだけだろう! 悪魔を信じたって最後は破滅しかないって馬鹿でもわかるだろ!」


「私は悪魔もコントロールできる領域に来ているのです」

 ボジャックの周りが黒い雲や霧に包まれ、ゾンビや死神の幻が現れた。

「へっ、こんなの幻だろ?」

「さあどうですかね?」


 いきなり死神の一人が鎌をふるうとボジャックの肩は切られ血が噴き出した。

「ぎゃあ!」


「この死神は幻ではありません召喚したものです。幻と実物を召喚したものを混ぜて見せているんですよ」


 また鎌で切られ胸から出血した。

「くっ、 召喚された怪物ならば倒す事は出来るがどのみち動けないんじゃそれも出来ない」


「さらに!」

 パロンはおもむろに釘を出し何かを刺すジェスチャーをした。

「ぐっ!」


 ボジャックは心臓を刺されるような痛みに襲われた。

「くうう」

「愚かですねえ」


「クラビ、あとマリーディアは何故神に勇者に選ばれたんだ、俺やゾゾも選ばれない。選びたくない何かでもあるのか? 俺はずっと正しい生き方を多分だがしてきた。何が間違って何が足りないんだ」


 さらに釘を刺すジェスチャーをした。

「ぐあ!」


 今度は手足に激痛が走った。

「無様ですね。そろそろフィニッシュにしましょう」


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