続々とつく力 訓練の成果
シヴァは新しい勇者の魂を使った技を見せた。
「うおお!」
表情と声を抑えている様で気迫が伝わるのが彼らしい。
小剣を複数高速で飛ばして見せる。
鞭の様にエネルギーの形を変える。
ネット型のエネルギーを飛ばす。
「エネルギーをアンカー鞭みたいに操ってる」
ミッシェルは驚いた。
「おお、俺の技に似てる! と言ってもあいつは真似るやつじゃないか」
しかしシヴァは答えた。
「いえ、貴方の技を見よう見まねで真似ました」
ポートサスは褒めた。
「これはかなり凄いぞ。使い方だけなら一番かもしれん」
「シヴァさんの目、サッカーに情熱を傾けていた時の様に熱い」
ボジャックはジェイニーの魔法を受ける練習をしていた。
ジェイニーは手に一心に力を集めた。
そして放った。
「特大火炎」
ごうごうともえさかる激しい炎がボジャックにも襲い掛かる。
「うぐおっ!」
「凄い、これまでよりずっと凄い炎だ」
「これを耐えられる様にしなければ! クラビが学んだ『急速冷却』の魔法版を発動させるんだ。さらにスキルの『ダメージと経験値五十パーセントアップだ』
「ボジャック……」
「躊躇わないでくれ! さらにもういっちょきてくれ」
そしてそれが終わったら今度はゾゾが名乗り出た。
「遠慮なく来てください!」
流石に遠慮はあったが、これまでより数段上の雷撃を食らわせた。
「ぐあああ!」
ゾゾはもがきながら何かを掴もうとしていた。
燃え盛る火炎の中であえぐボジャックに心を鬼にしたジェイニーは再度強度の火炎を放つ。
一方クラビは自分の力を確かめながらスタグラーと特訓していた。
「自分を抑えながら力を出すんだ。難しいが」
「僕は『自制心のない怪物』なんかにはなりません」
「嫌、君は自制心の強い人間だ。それは分かる。しかしかつてイーバ様もただ戦いに勝つだけでなく迫害された信者達の為怒りを爆発させたんだ。平和の神でありながらデュプスやサブラアイムの異教徒攻撃に怒ったんだ。だから君も仲間を攻撃されて切れたりする事だって多くあるだろう」
「確かに! 今までもそうでした。そうか今までは感情のままにぶつけてたけどこれからはコントロールしなきゃいけないんだ」
「それが難しいな」
「はあはあ」
マリーディアがぼろぼろに血を流しながら戻って来た。
「はあ、はあ、会得しました」
マークレイとシヴァが光る剣同士でぶつけ合い戦っていた。
シヴァはそこにかつて戦ったわだかまりはなかった。
そして日は後四日に迫る。




