ボジャックとゾゾの奥義
ボジャックは体内のエネルギーを大きくしようと気合を入れた。
「うおおお」
クラビは「神から貰った力」の為気合と祈りを交えた。
しかしボジャックは神から貰った力はなかった。
その為体の中のエネルギーを大きくしクラビの様に選ばれた勇者が持つ勇者の魂に追いつく為体内エネルギーを徹底して高めた。
勇者の魂に対してボジャックは人間エネルギーと言う仮称を付けた。
「アズロ様人間の体内の力を高め勇者の魂に並べる様にしました!」
別にボジャックはデュプス神を信じてない訳ではない。
昔はお祈りによく言っており、クラビ同様負い目を許され使用人になれたのも教会のおかげだと分かっている。
今でも祈っている。
しかしクラビ達と違いまだボジャックにはまだ神との会合がない。
勿論神が降りて来るよう祈っている。
しかし降りないのは「まだその時じゃない、自身の力で乗り越えろ」と神が言っているからなのか第2の選択肢は「自分は神に選ばれてないんじゃないか」と言う悲観だった。
しかし自分はこれまで精一杯戦って来た、だから相応しくないなんてない、と思おうとしていた。
だからそれをカバーする為人間エネルギーを溜めるのだ。
そしてマークレイの光閃掌と同じ技が使える様になりアズロに向かって行った。
「おお、いいぞ! ここまで高めたか!」
「人間の意地の力! みたいな気持ちでやっています」
そして今度は剣に闘気を漲らせ向かって行った。
「地剣爆斬」
これはアズロに当たらない様わざと外したのだが剣が床に当たり爆発を起こしてめり込んだ。
「おお」
アズロは床の様子を見て感嘆した。
「これは奥義と呼んで良いな」
「何とか開眼できた!」
ゾゾも負けたくない為同じ様にエネルギーを上げて見せた。
ゾゾも神と会っていない。
「俺も体内のエネルギーを高めました」
燃え上がる揺らめく炎の様にそれは立ち上る。
そしてゾゾも構え向かって行った。
突き上げ型の剣を放つとアズロの周りで衝撃波が起きた。
「凄いぞ」
次はミッシェルだった。
「俺はボジャックの『人間エネルギー』とやらは知らない、それと同種の体内エネルギーコントロールを忍者の修行から学んだからだ」
ミッシェルは素早い動きで気功製大型手裏剣を放った。
「ほう、中々だな」
これも気功製スパイダーネットも放って見せた。
「アズロ様、クラビやボジャックの持つエネルギーと俺のそれとは違うのですか?」
「概ね大差はない。ただ君の場合違う場所で基礎から身に付けて来たから今更変えるのは中々難しい。それはそれで伸ばしていくのだ」
「神の力による勇者の魂は」
「それもこれから来るかも知れん」
「何が起こるか分からないつもりで修行しよう」
こうして決戦の日は近づいた。




