デュプスへの暴力2
次の日もデュプスへの暴力は続いた。
アンドレイ達は狂暴化した動物達を暴れさせた。
「助けてくれ‼」
熊、ゴリラ、牛、そして馬はサブラアイム兵をまたがらせた物が町を蹂躙し始めた。
ゴリラが店をパンチで破壊しようとする。
闘牛や熊は道行く人を襲う。
牛は突進して角で突き刺し、熊は爪で人を切り裂いた。
その度無残な死体が並ぶ。
馬に乗った兵達は猛スピードで街を荒らして行く。
町民達は叫んだ。
「止めてくれ! あんた達の狙いは何だ、食べ物か、金か!」
「家の蔵の食べ物をあげるから出て行ってくれ」
しかしサブラアイム兵は言った男を殴った。
そして集団暴行した。
「食べ物も金もいらねえ。もうすぐてめえらは俺達に支配され奴隷にされ殺されるんだ。だから虐げられる練習をさせてやってるのよ!」
「そうだそうだヒック」
サブラアイム兵達は酒に酔っていた。
この気配に気づいたクラビは傷を押して立ち上がった。
しかし神官たちは止めた。
「よせ! もう少しだけ我慢しろ!」
今日はクラビ達の復活に後1日かかる為マリーディア達が引き続いて修行する。
「私は何としても奥義や魂の使い方を会得する!」
力を振り絞りアズロに向かって行くマリーディア。
「勇者の牙と刃を教えたい」
「それにはどうすれば」
「私との戦いで掴むのだ。それしか言える事はない」
私も勇者の魂が内在していてそれをコントロールして大きく出来る……
そして力を溜めたマリーディアのオーラが大きくなった。
「おお!」
「はあ!」
マリーディアは切りかかった。
「中々筋が良くなってきたぞ!」
「はあ!」
切り合いは続く。冷静なアズロ。
感情を力一杯ぶつけるマリーディア。
「クラビにばかり頼ってられない! 私がコプロサスやアンドレイを倒す。新しい技も身に付ける!」
そして今度はゾゾ。
「力を高めるんだ!」
「俺にも勇者の魂があるのなら!」
そして気合を溜め向かって行った。
「うおおお‼!」
昨日より切り込みの深さが断然増していた。
「ほう。良くなったぞ」
「戦いの理由を見出して見せる! そして強くなってやるクラビさん達より」
「その意気だ」
アズロは思った。
どこまで勇者の魂を引き出せるかだ。
そしてスタグラーもコーチに加わった。
シヴァは切りかかる。
相変わらず抜群のスピードとセンスだ。
勇者の魂をサッカーボールの様に蹴り込んだ。
スタグラーは上手く避けた。
「明日はクラビ達も合流する」
また夜マリーディアとゾゾは特訓した。
「どう?」
「アズロさんの修行、何か九日で本当に自分が強くなる感じするんす」
「私もよ。六人の手下と一対一戦えるようにならないと。新しい技が掴めたわ」
「強敵らしいけどそれが出来ないと駄目でしょうね」
「何かつかめた?」
「うーん、ポートサスさんに言われた『戦う理由』なんですけど。俺はいつか守る物が出来ると思ったけどそれがまだ現れてない。マリーディアさんみたいな女性が現れればなあ。彼女になってくれません?」
「あ、あの私冗談切り返すの下手だから!」
「そうですよね。マリーさんはクラビさんが」
「別に」
「あーあ、守る物が良く分からない。正しい事の為じゃ駄目かな」
「それも立派よ。じゃあ少ししたら寝ましょう」
そして次の日からクラビは復帰する。
しかしサブラアイムの暴れぶりは日に日にすごくなって行った。




