デュプスへの暴力
デュプスへの暴力が始まった。
ここはクラビ達がサブラアイムへ渡る前に休憩に酔ったマッスガリンの町
一人の冒険者らしき男が武器屋で喜びながら剣をカウンターに持って来た。
「お客さん、嬉しそうだね」
「いやー、欲しかった黄金の剣、遂に買えたよ。剣士の、冒険者の憧れだからね!」
意気揚々と店から出て来た男に三人組の男が立ちはだかった。
「な、何ですか?」
「その武器渡してもらおう」
「な、何言ってるんですか! 駄目に決まってるじゃないですか!」
「嫌なら貰って行く」
「何なんだ!」
男は黄金の剣を抜き向かって行った。
しかしかわされ振り返った時腕を肩から切断された。
大量の血が飛び散った。
「ああああ‼!」
「どうせ貴様らデュプス国民は我々サブラアイムの言いなりになるんだ。武器の一つ渡したって良いだろう。ついでに死ね」
男は胸を貫かれて死んだ。
次に若い男女がデートをしていたが別の三人デュプス兵が立ちはだかった。
「俺達にその女を渡してもらおう」
「何を言ってるんだ!」
しかし青年は三人に首を掴まれ殴られ蹴られの暴行を受けた。
「やめて!」
「ふふ、俺達は女も目的だが、実はこの男に嫌がらせで殴るのが目的だったのよ」
「な、何の為に!」
「俺達にへつらわせる練習さ。これからデュプス国民は俺達サブラアイムの奴隷になるんだからな」
男が死ぬまで暴行は続いた。
女は大急ぎで逃げ助けを呼びに行った。
そして死体を燃やし、ついでとばかりに民家に火を付けた。
「燃えろ、馬鹿ども」
さらに馬車に乗って来た人達を別の兵が殴りつけてどかせ、暴行を続けた。
「貴様らは馬に乗る権利はない。馬以下の生き物だ。
そうして暴行した後火を付けて燃やした。
僅かな間で三人もの殺人が起きた。
合計九人のサブラアイム兵達は笑っていた。
「これは侵略ではなくただの嫌がらせだ。これから殺されたり奴隷になるデュプス国民の予行ショーだ! 見せしめだ!」
見ていた人達は震えあがった。
そして馬に乗ったサブラアイム兵達が横行し大暴れした。
ポートサスは神官の能力で異変に気付いた。
そしてミルダも来た。
「君も気が付いたか」
「ええ、遠くでデュプス国民が殺されています」
そこへクラビが怪我をおして部屋から出て来た。
「俺が行く!」
ポートサスは止めた。
「よすんだ! 今やられたら何もかも無駄になる」
「しかし!」
「今はこらえて。その内その人達の仇を討つ時が来るから」
「くっ……!」
恋人を殺された女はデュプス城に陳情に来た。
「王様! 何とかしてください!」
王は悩んだ。
「後十日以内に戦争を受けなければならないかも知れん。あの勇者の少年たちに一縷の望みをかけているが」
その夜ゾゾは外で剣を振っていた。
「俺は神に選ばれてないのか、勇者の魂を使いこなせないのか」
「ゾゾ」
「え?」
マリーディアが来た。
「マリーディアさんも特訓ですか」
「ええ」
「しかしすごいなあ、朝昼ひいひい言ってたのに」
「確かにきついけど私はまだ掴めていないから」
「でもマリーさんは神に選ばれたから」
「そんなに違わないと思うわ」
「まあ、じゃあ特訓しましょうか」
剣を振っているとジェイニーも来た。
「お疲れ様、私も付き合うわ」
「良く付いてこれましたね昼の修行に」
「辞めたらこれまでが無駄になるから」
そして三人が戦うととんでもない波動が遠くから聞こえた。
「何?」
「敵襲?」
そちらへ行くと何とクラビは一人で剣を振り特訓をしていた。
「クラビ! まだ怪我のOKが出てないのに!」
「で、でも凄いパワーを感じます。やっぱりすごいクラビさん!」
クラビは思った。
後八日でコプロサスに勝たなきゃいけないんだ。
見ていたスタグラーは思った。
それと、神の力を覚醒出来るかだな。




